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社員に経営数字をオープンにする理由とは?~中編~
前回のブログでは、
社長が社員に報いてあげたい気持ちを
経営数字をオープンにすることによって示すことの
危うさについてお伝えしました。
けど、きちんと順序立てて伝えれば
社員を納得させることはできるんです。
そのやり方について今日はお話ししていきますね。
大まかに次の6つについて順番に伝える必要があります。
①まず自分の家計の構造を把握させる。
②家計のお金を増やすには、その出所である会社のお金の流れを理解する必要性を感じてもらう
③会社のお金の構造を知る
④社長がなぜ利益を大事にしているかを知る
⑤社長が人件費を安易に増やせない事情を知る。
⑥社長が「人件費を増やしてもよい」と考えるに至る条件を理解する
少し解説していきますね。
①まず自分の家計の構造を把握させる
いきなり会社のお金の説明をしても、
社員は理解できません。
一番身近な家計のお話を通じて
家計の構造を把握させつつ、
会計の話を理解しやすくなる種をまきます。
②家計のお金を増やすには、その出所である会社のお金の流れを理解する必要性を感じてもらう
ほとんどの社員は自分の家計のお金を
増やしたいと考えています。
家計のお金を増やすには
その出所である会社のお金の流れを理解しようという意欲を呼び起こし
「どのように会社に関わればそれが実現できるのか?」
ということに関心を持ってもらいます。
③会社のお金の構造を知る
会社のお金の構造を
・売上
・変動費
・粗利
・固定費(人件費とその他固定費の2種類)
・利益
の図を描きながら理解してもらいます。
そして、
・粗利率
・労働分配率
この2つの重要な指標も理解してもらいます。
「社員に理解させるのが難しそう」という印象をお持ちかも知れませんが、
図を使って、実際の数字ではなく百分率で伝えると理解できるようになります。
変動費クイズや粗利率クイズを交えるなど、
楽しく学ぶことを意識させるとより理解が深まります。
④社長がなぜ利益を大事にしているかを知る
利益は自由に使えるお金ではないこと、
すなわち、利益から支払われるものがあることを理解してもらいます。
主に
・税金の支払い
・借入の返済
・万が一の時の備え
・将来の投資資金
この4つが利益から支払われて、
最後に残った繰越金が本当に自由に使えるお金であることを
知ってもらいます。
⑤社長が人件費を安易に増やせない事情を知る
社長の社員に報いてあげたい気持ち、
すなわち人件費を増やしてあげたいのだけども、
「やみくもに人件費を増やすと利益がどうなってしまうのか?」
「利益がなくなると会社や自分達にどのような悪影響を及ぼすのか?」
これを数字と図を使って理解してもらいます。
⑥社長が「人件費を増やしてもよい」と考えるに至る条件を理解する
利益の大切さを理解したうえで、
「どのような条件が整えば
人件費を増やすことに対して社長はOKを出してくれるのか?」
を数字と図を使って理解してもらいます。
この時に工夫が必要なのは、
一旦社長の気持ちになって考えてもらうということ、
そして、条件を満たすことで自分達にどれくらい見返りがあるのかを
しっかりとイメージしてもらうことです。
ここが抜けると、ただの経営数字の勉強会になってしまいます。
会社の経営を自分事として捉え、
積極的に仕事に打ち込んでもらうためにも
ここは手を抜かずに社員に考えてもらいたいところです。
以上、経営数字を社員に伝える時の伝え方を解説しました。
社員にきちんと順序立てて伝えると、
経営数字の大切さ、
社長が売上にこだわる理由、
給料を増やすためにすべきこと、
これらを理解してもらえます。
ただし!
ただですね、この勉強会を研修方式で今まで数々の会社でやってきましたが、
唯一1回だけ受講した社員が束になって私にクレームを言ってきた事件があります。
その時の私の気持ちは
「社長、何で事前に〇〇ってこと、俺に教えてくれなかったのよ~」
「そりゃ、社員もクレームの1つも言いたくなるわ」
でした。
ではその事件はどんな事件だったのか?
それは、次回のブログでお話したいと思います。
ぜひお楽しみに(^^)