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カスタマーハラスメントセミナーが盛り上がったワケ
先日、東京で暮らす長女が帰省してきました。
久しぶりの再会を喜ぶ間もなく、
早速ギターの16ビートのストローク奏法を
レクチャーしてもらうことに。
ところが――ここで衝撃の事実が。
長女はピックの弦にあてるべき先端部分ではなく、
なんと本来握る方の“角っこ”を弦に当てて弾くという、
独特かつ斬新なスタイルで演奏していたのです。
「なんじゃこりゃ!」
と心の中で叫びつつも、とりあえず挑戦。
しかし、慣れない方法で
上手くいくはずもありません…
やはり王道のフォームを地道に練習するのが
上達の近道だと痛感しました。
それでも、ひとつ嬉しい出来事が。
練習の成果か、長女から
「コードチェンジが上手くなったね!」
と褒めてもらえたのです。
ギター歴10年の長女から見れば
まだ半年もやっていない私のスキルはまだまだでしょうが、
それでも認められる瞬間というのは嬉しいものですね(^^)
さてさて本題です。
先日、カスタマーハラスメント(カスハラ)セミナーを実施したところ、
おかげさまで予想以上に好評でした。
でも正直に言うと…
カスハラやセクハラ、パワハラの研修って、
世間的には「つまらない」部類に入ることが多いんです。
理由は簡単。
内容が当たり前すぎて
「自分には関係ない」と思われがちだし、
出てくる事例も現実味がなくてピンとこない。
しかも講義は一方通行になりがちで、
最後は厚労省の定義や過去判例をもとにクロかシロか判定して、
「やってはいけない対応」を覚えて終了。
法的知識は増えるけど、心のエンジンはかからない…
そんな研修になってしまうわけです。
そこで私が大事にしているのは、
「ハラスメントは理想の職場の実現に対しての最大の阻害要因」
という視点。
まず受講者に
「自分の会社をどんな会社にしたいですか?」
「社員が【ここでずっと働きたい】と思える会社ってどんな会社ですか?」
というワークをします。
すると、みなさん少し照れくさそうにしながらも、
しっかり理想を言葉にしてくれます。
そして、その上で
「じゃあカスハラはその理想にどんな悪影響を与えるでしょう?」
と投げかけると、急に空気が引き締まり、
アンテナがピンと立つのです。
さらに、場をあたためるためにこんなワークもします。
「あなたの記憶に刻まれたカスハラ体験は?」
と自分の過去を振り返ってもらったり、
「この会社、カスハラ対策バッチリ!どんな会社?」
「この会社、カスハラ対策ボロボロ…どんな会社?」
という“大喜利”もどきの問いかけをします。
これ、意外と盛り上がるんです。
笑いが出ると場が一気に和み、
自分の価値観を言葉にできるし、
他の人の意見を聞いて「なるほど!」と視野が広がる。
気づけば、参加者同士が自然に
コミュニケーションを取っているんです。
そして一番響くのは、やっぱり講師の実体験。
私が過去に受けたカスハラや、
逆にカスハラしそうになった瞬間の話を、感情ごとお伝えします。
笑える話もあれば、思わず
「それはきつい…」
「上司はなにをやってんだ!」
と眉をひそめる話もあります。
こういう生々しい感情の共有こそ、
「カスハラを受けるとどんな気持ちになるのか」
「カスハラしそうな人はどんな心理なのか」
をリアルに伝えられる瞬間なんです。
結局のところ、ハラスメント研修を
「つまらない」で終わらせないためのコツは3つ。
①理想の職場像を描かせること
②参加者の経験や意見を引き出すこと
③そして講師の生の体験を惜しまず話すこと
この3つを押さえるだけで、
研修が「法律や判例、定義の勉強会」から、
「職場を変える作戦会議」に変わります。
ハラスメント対策は守りではなく、
職場をより良くするための成長戦略だったりします。
「これなら自分もできそう」
と受講者が感じた瞬間から、
その職場は良い方向に動き始めていると言えるでしょう。
ということで、
カスハラ研修など検討中の皆様、
面白い内容をご提供しますので、ぜひ私を講師に推薦してください(^.^)
昼飲みに2日連続召喚された男の末路
今日は、ちょっとピンチなお話。
今、この原稿を書いているのは月曜の朝。
毎週月曜日の正午に配信しているこのブログ、
約2年半、一度も欠かさず続けてきました。
誰かに怒られるわけでも、
遅れたら損害が出るわけでもありません。
ただ、自分との約束だからこそ守りたい。
それだけに、
今こうしてギリギリで書いているのは珍しい事態です。
事の始まりは土曜日にさかのぼります。
その週は仕事が立て込み、
「土曜の夜にブログを書こう」
と思っていました。
そんな土曜日の午後2時過ぎ、スマホが鳴ります。
ご無沙汰していた税理士の先生からの着信。
「今から佐賀駅で飲むんだけど出てこれる?」
ブログを書かなければいけなかったので
一瞬だけ迷ったものの、
「はい、今から行きます!」
と即答。
結局、15時から夜までしっかり飲むことに。
そして翌日曜日。
やや二日酔いの頭で起床。
コーヒーを飲みながら
「今日は絶対ブログ書くぞ!」
と気合いを入れた、その時――またもや着信。
相手は、昔の合唱団仲間。
「今から昼飲みするんですが、佐賀駅まで来れますか?」
前日のデジャヴのようなお誘いです。
「うわ、ブログが書けない…」
「俺の肝臓は耐えられるのか…」
などと考えるも、
これもまた、久々すぎて断れず、
「行く!」
こうして前日飲んだばかりの佐賀駅に再び到着。
昼間から笑って飲んで、気づけば夕方。
もちろん、その時点で文章を書く気力はゼロ笑
むしろ、
「これはもうブログ妨害工作だな」と思い、
逆にネタにしてやろうとすら考えていました笑
そんなわけで、
今、月曜の朝に慌ててキーボードを叩いています。
やっぱりブログは1週分のストック必須ですね。
ギリギリだと何が起こるか分かりません。
そして最後にひとこと――
飲みに誘ってくださる皆さま、
せめて前日、いや…譲って集合2時間前にご連絡いただけると助かります笑
ということで、
次回はちゃんと計画的に書きます…たぶん。
「やばい、俺、緊張してる!」〜ビッグネームだらけのカスハラセミナーで気づいた不安との向き合い方〜
最近もなお後を絶たない「特殊詐欺」
ニュースで見ない日はありません。
犯罪は、かつては“どこか遠い世界の話”のように思えていましたが、
今では「すぐそばにいるかもしれない存在」として認識せざるを得ない時代になりましたね。
実は私自身、今から25年前の銀行員1年目のときに、特殊詐欺に直面した経験があります。
ある日、支店で私が受けた一本の匿名電話。
「おたくの口座が詐欺に使われてるよ」
「なにバカなこと言ってんだい」って気持ちで、
口座の入出金履歴を調べてみてビックリ!
分刻みで、全国のあちこちの銀行から
色んな人が数万円単位で振り込んできていたんです。
しかも、そのお金はすぐに引き出され、また別の振込、そしてまた引き出し……と、
まるで反復作業のようなサイクルが繰り返されています!
当時は口座をすぐに凍結できるような法整備も進んでおらず、
私たちはただ黙って指をくわえて見ているしかなかったんです。
数日間で集計しただけでも、被害額は500万円近く。
そして、あれから約四半世紀、
特殊詐欺は「なくなる」どころか、ますます手口を巧妙化させながら広がっています。
日本のどこかで、今日も誰かがせっせと「犯罪という仕事」に精を出しているのかと思うと、
「罪の意識」がどんどん軽くなっている気がして怖くなります…
さて、最近、ある団体から個別に依頼をいただいた
カスタマーハラスメントセミナーを実施してきました。
ただ… 受講者がヤバいんです!
受講者は、産業別労働組合の代表者に加え、県議会議員、市議会議員、町議会議員という…
かつてないビッグネームぞろい。
「この内容、絶対おもしろい!」
と自画自賛しながら当日を迎えた私でしたが、
セミナー開始20分前になって、受講者の肩書の重みがじわじわと押し寄せてきました。
「やばい…俺、緊張してる…!」
でも冷静になって考えると、
「何に緊張してるのか」がよくわからない。
そこで、開始ギリギリまで不安の正体を紙に書き出してみることにしました。
・時間内に終われるか?
・自分のカスハラ体験記を関心を持って聴いてくれるか?
・難しい質問が来たらどうしよう?
・個人ワークや自己チェック、お隣同士での意見交換というスタイルが受け入れられるか?
・そもそも依頼主の期待に応えられるのか?
……などなど、出てくる出てくる。
でも、不思議なもので書き出してみると、
「あ、案外大したことないかも」
と思えるようになってきまして。
どうやら人は「正体不明なもの」に
一番不安を感じる生き物なのかもしれません。
結局、
「今さら焦っても仕方ない!」
「おどおどしたら余計に不安が伝わっちゃう!」
と腹を括り、
「熱量込めて、自分が一番楽しそうに!」
「今日は“セミナー講師”という役を演じ切るぜ!」
と気持ちを切り替えて登壇しました。
その結果、驚くほどスムーズに、しかも楽しくセミナーを進めることができたんです。
受講者から質問がありましたが、そこはもう
「俺の考えを熱く語っちゃっていいのかい?!」
というくらいの熱量と自信で乗り切りました。
終わった後には市議会議員の方から
「いやー、面白かったよ!」
「先日受講したセミナーは眠くてしょうがなかったけど、今日は全く眠くならなかった!」
という、なんともありがたいお言葉まで♪
というわけで、
「不安なときは紙に書き出す」
に尽きます。
不安を文字にするだけで、気持ちは驚くほど落ち着くものです。
プロのアスリートが試合前にルーティンを大切にするように、
セミナー講師にも“本番に向けた心の準備”が必要なんだと改めて実感しました。
自分の不安と丁寧に向き合い、心を整えること――
それが、当日のパフォーマンスを支える土台になるんでしょうね(^^)
講師なのに気づかされた──研修という場の奥深さ
アコギでスピッツの「チェリー」を練習していますが、
さすがに少し飽きてきたので、
最近は「ロビンソン」も練習メニューに加えています。
どちらも似たようなストロークパターンなのですが、
よく聴くと微妙にニュアンスが違っていて、
その“微妙な違い”を出すのが異常に難しい…
しかも、練習後はなぜか我が家の愛犬、
ポメ柴のふくちゃんの機嫌が悪くなることが多く、
「下手くそな音楽を聞かされてストレスなのかな…」
と、ちょっと反省してました。
でもふと思ったんです。
スピッツって「犬」なんですよね。
もしかしてふくちゃん、
「ほかの犬の歌なんか聞きたくないワン」
って怒ってるのかもしれません笑
さて本題です。
先週末は、まさに怒涛の4日間でした。
水曜日から土曜日まで、
4日連続で異なるテーマの研修を
担当させていただきました。
水曜:コミュニケーションスキル&チーム力向上研修(2時間)
木曜:リーダー育成研修(2時間)
金曜:人間力向上研修(2時間)
土曜:カスタマーハラスメント&パワーハラスメント予防セミナー(1.5時間)
さすがに体力的にも堪えましたが、
実は一番疲れるのは、
当日までに行う「研修のシミュレーション」だったりします。
私は事前に研修当日の時間配分をエクセルに分単位で打ち込み、
どの場面でどれくらい意見交換を入れるか、
もしも話が盛り上がりすぎて時間が押した場合はどこをカットするか、
という調整プランまで作っています。
さらに、受講者の方が予想外のアクションや発言をした場合に、
どう受け止め、どうつなげるかといったシーンの対応も
頭の中でシミュレーションしています。
まあ、それを“妄想”するのが
意外と楽しかったりもするのですが(^.^)
ちなみに私が行う研修は、
一般的にイメージされる「一方的に話す授業型」の研修とは
少し異なります。
事前に受講者の情報を把握したうえで、
経営者の方にも可能な範囲で一緒にご参加いただいています。
少人数規模の会社の場合、
経営者の方には、単に「見学者」としてではなく、
社員と同じ受講者の一人として参加していただいています。
あえて“社長”という役割を強調せず、
フラットな立場で意見交換をしてもらうことで、
普段届きにくい社長の想いが、
自然と社員に伝わっていくからです。
実際、朝礼などで一方的に語られる社長のメッセージは、
社員にとって“流れてしまう”ことも多いです。
けれど研修のように、
皆が自分や会社について真剣に考えている場であれば、
同じ言葉でもスッと心に届くのです。
また、研修が終わったあとは、
経営者の方と振り返りの打ち合わせを行ったりしています。
「どの社員の発言が印象的だったか?」
「気になる言動、重要なサインはなかったか?」
「今後、会議で取り上げるべきテーマは何か?」
こうした対話を通じて、
研修が単なる“学びの場”ではなく、
経営の現場に即した“実践の場”として
機能するよう意識しています。
今回の怒涛の4日連続研修を通じて改めて強く実感したのは、
研修とは単なる知識のインプットの場ではないということ。
受講者が自分自身や会社と真剣に向き合い、
普段言えないことを言葉にし、
他者と共有し、考えを深める。
そして、経営者がその“対話の中身”を
現場に活かしていく。
つまり研修は
「組織を動かすヒント」を引き出し、
次のアクションを生み出す
起点となる“実践の場”なのです。
今後もそんな気づきと変化を引き出せる研修を、
丁寧に設計・提供していきたいと思います(^.^)
続【「なぜ?」を5回繰り返せ】は時代遅れ?「なぜ?」と聞かない質問術
いつものアコギの話しで申し訳ないですが、
やっぱりアコギの16ビートって恐ろしく難しいですね…。
弾き語りってよく考えたら、
「口はボーカル、左手はピアノ、右手はドラム」
って感じでまるで一人バンド。
そりゃ忙しいわけです。
今はまず、ボーカルを封印して
右手と左手に全集中で練習中です。
ちなみに、僕が高校生の頃によく通っていたカラオケ屋、
16ビートって店名だったな笑
さて、前々回のメルマガの続き、
「『なぜ?』を5回繰り返せ」とよく言われる中で
「なぜ」よりも有効な質問があるといいます。
それはなんでしょう?
ということでした。
『「なぜ」と聞かない質問術』
著者:中田豊一
出版社:ダイヤモンド社
を私なりに整理しました。
「なぜそんなことしたの?」と聞いたら、
部下が急に黙り込んだ——。
こんな経験、一度はありますよね?
私たちもつい無意識に
「なぜ?」と尋ねてしまいがちです。
理由を知りたいし、状況を把握したい。
でも実はこの「なぜ?」 聞かれた側からすると、
ちょっとした「取り調べ感」があるんです。
著者の中田豊一さんは、
それを「最悪の質問」とまで言い切ります。
えっ、そこまで言う?と思いきや、理由を聞いて納得。
「なぜ?」と聞かれると、人はつい言い訳をしたくなる。
あるいは、自分でもうまく説明できないことを
無理やり言語化して、話がどんどんズレていく。
結果、会話が上滑りし、抽象的で観念的、
実りのない議論のための議論、
著者はそれを「空中戦」と呼んでいますが、
「空中戦」というドツボにハマっていくのです。
ちなみに、
常に事実に基づいて進められる地に足のついたやり取りを
「地上戦」とも呼んでいます。
この「空中戦」を避け「地上戦」に持っていきたいときに
中田さんが提案するのが、
「なぜ?」ではなく「いつ?」と聞くこと。
たとえば、
「やろうと思ったのはいつ?」
「報告を後回しにし始めたのはいつごろ?」
「最初に迷いが出たのは、どのタイミング?」
不思議なもので、
「なぜ?」だと責められてる気分になるのに、
「いつ?」と聞かれると普通に思い出せるんですよね。
そういえばあの日ちょっとバタついてたな…とか、
同僚にも頼み事をされて少し混乱気味だったな…とか。
ポイントは、
「考えさせるな、思い出させろ」
これは中田さんの名言です。
つまり、「なぜ?」で頭を使わせるより、
「いつ?」で記憶をたどってもらう方が、
会話が具体的になってズレが少ないということなんです。
実際、「なんでやらなかったの?」
と聞かれると身構えるのに、
「いつごろから手が止まってたっけ?」
と聞かれると、なぜか素直に
「うーん…たしか先週の火曜くらいかな」
と答えてしまう。
問い方ひとつで人はこんなにも話しやすくなるんだなと、
つくづく思います。
せひ皆さんも一度試してみてくださいね(^^)