グロースパートナー
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2024 / 10 / 28  12:00

私のカスハラ体験記③【カスタマーハラスメント】を学ぶ

前回は、銀行員時代に荒っぽい書面で住公の延滞督促をしたことで

お客様から殴られる寸前までいったお話しをしました。

 

今回は、【お客様に監禁された事件】をお届けしたいと思います。

 

あるお客様から住宅ローンの申し込みがあったので

事前審査に出しました

 

事前審査とは、本審査前の前の簡単な審査です。

 

年収や勤務先、必要な融資額をヒアリングして

それを保証会社にサクッと審査に出します。

 

で、結果は何の問題もなく、

希望額まるっと満額で通ったわけです。

 

そして実際に購入する住宅の資料等を集めて

本審査に出しました。

 

ところがですよ、保証会社から

「全額はちょっと無理です」

とのこと。

 

結果は希望金額の9割しか融資できないという悲報。

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実は本審査から私が担当したんですが、

どうやら事前審査の時点で何か問題があったらしい。

 

ただ、25年くらい前の話なので、

どんな問題があって減額されたのかなんて

覚えていません…

 

唯一覚えているのは、

先輩が

「これは事前審査を受け付けたやつが悪い」

って慰めてくれたことだけ。

 

そんな事情も客様からすると「知らんがな」って話です。

 

事前審査のミスだろうが、

担当者が誰だろうが関係ない!

納得なんかできるわけない!

ってことです。

 

で、1割分の自己資金を急いで準備してもらうしかないので、

お客様に電話で説明しました。

 

案の定、お客様は「話が違う!!!」と激怒。

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すぐに上司と一緒に謝罪に行くことに。

 

お客様の家に着いたら、

「木貞さん、あんただけ中に入んな」って…。

上司には「外で待ってろ」って言うんです。

 

正直、上司が

「いやいや、それはできません」

って言ってくれると思ったのに、

あっさり「木貞、行ってこい」って。

 

「おいおいおいおい!」

「そこは断固拒否でしょ!」

「部下と上司は一蓮托生!」

などと目で訴えかけましたが上司には届かず…

 

上司は私を生贄として差し出すことを決めたのです。

 

もう腹をくくって家に乗り込みました。

 

そこでお客様に説明したのは、

減額の理由と、減額分は自己資金で準備してくださいってこと。

 

それに対してお客様は

「満額融資するってここで約束しろ!」

と一歩も引かない。

 

もちろんそんな約束できるわけもなく、

「それはちょっと無理です…」

って何度も断り続けたら、

ようやくお客様も諦めて

「じゃあ、せめて〇〇だけは何とかしてくれ」

って別の提案をしてきました。

(〇〇は秘密です)

 

その〇〇なら、保証会社と交渉次第で何とかなるかも?と思ったので、

「お約束はできませんが、交渉してみます」

と伝えて、なんとか監禁状態から解放されました。

 

その後、何度も保証会社と交渉して、

無事に〇〇は実現、融資も完了しました。

 

お客様からは

「ありがとう。あの時はごめんね」

と謝られましたが、

こちらも

「いえいえ、こちらこそご迷惑をおかけしました」

と、深々と謝罪しました。

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とまあ、このようなお話しですが

やはりお金が絡むことなのでお客様も必死ですし

「言うだけ言ってみよう」

って気持ちになるのも仕方ないですよね。

 

で、このお話しを

カスハラの視点で見てみるとどうなるのか、

ちょっと考えてみました。

 

厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。 

1.要求内容の妥当性】 

2.手段・態様の不相当性

3.労働者への影響

 

それぞれ見ていきましょう。

 

1.要求内容の妥当性

「満額融資するってここで約束しろ!」

これはさすがに無茶な話ですが、気持ちは分かります。

 

ただ、これが

「減額分をお前が個人で負担しろ!」

「慰謝料として減額分と同じ金額を払え!」

という直接お金を要求する内容だったとしたら

妥当性はないと言えるでしょう。

 

一方で、

「じゃあ、せめて〇〇だけは何とかしてくれ」

という要求は

言い換えると銀行へのお願いごとなので、

問題ないでしょう。

 

2.手段・態様の不相当性

ここはちょっと引っかかります。

 

暴力こそなかったものの、

上司を締め出して私だけを監禁したのは事実です。

 

てか、そんなことより

「上司が監禁を許可すんなよ!」

って話なんですけどね笑

 

お客様が

「今からあんたの部下にカスハラします」

って宣言しているのに

上司が

「どうぞどうぞ」

って送り出してるようなもんですから笑

3.労働者(私)への影響

監禁された時

「俺は無事に解放されるのか?」

「殴られたりしないよね?」

と不安になったことは事実です。

 

でも、これも前回の話と同様に

その後の仕事のパフォーマンスに悪影響はなく、

むしろ教訓を得た出来事でしたので、

結果としては問題なしですね。

 

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今回のお話しもお客様への申し訳なさでいっぱいで

「監禁はちょっとやめて欲しい…」

という気持ちはあるものの

「カスハラされた」

という感じはしません。

 

むしろ、銀行という仕事の難しさを実感した出来事です。

 

というか、同じことを何べんも言いますが

上司が私を生贄として差し出したことだけは許せないですね笑

 

 

前回と今回のネタはカスハラとしては微妙で

どちらかと言うと教訓になったお話しでしたが、

次回は25年経った今でも自分の中で消化しきれていない

お客様からの理不尽なクレームのお話しをします。

 

 

次回もお楽しみに♪

 

2024.11.21 Thursday