ブログ
私のカスハラ体験記⑤【カスタマーハラスメント】を学ぶ
前回は【トラベラーズチェック販売事件】をお話ししました。
今回も銀行員時代の話ですが、
これはかなりインパクトが強く、
今でもあの瞬間は鮮明に覚えています。
今までのお話しはカスハラとしては
イマイチだったかも知れませんが、
今回の話は「カスハラの典型的パターン」と言えます。
題して【カードローン否決事件】です。
さて、時は私が28歳、
北九州の支店でローン窓口を担当していた頃のことです。
カードローンというのは、
個人の方が自由に使えるローン商品。
住宅ローンやマイカーローンと違って、使い道は完全に自由。
しかし、その分、少々金利はお高めに設定されております。
そんなある日、窓口にやってきたのは1人の中年男性。
彼からカードローンの申し込みがあり、
私はせっせと審査に出しました。
そして翌日…
【結果:否決】
つまり、残念ながら審査に落ちたということです。
で、その旨を中年男性に電話連絡すると…
「ちょっと窓口に行くから、話を聞かせろ」とのこと。
まぁ、想定の範囲内です。
で、その男性が窓口にやってきて、
真剣な眼差しで「なぜ否決だったのか?」と質問。
私は丁寧に説明しました。
「年収や勤務歴、過去の返済状況などを総合的に判断しての結果です」
と、説明し終わった瞬間、彼は無言のまま
名刺を私の目の前にそっと差し出しました。
その名刺に書かれていたのは…
「〇〇連盟」
「あれれ? これはもしかして⁉️」
そう、いわゆる「えせ同和行為」でした。
「えせ同和行為」とは、同和問題を口実にして、
不当な金銭や特別な扱いを要求する行為のこと。
実際の差別解消とはまったく関係なく、
ただ相手を脅すためだけの手法です。
入社時研修で一通り学んではいましたが、
自分が体験するとは夢にも思いませんでした。
しかし、「ここでビビってはいけない!」と思いつつ、
内心では「どう対応すればいいんだ??」と焦っていました。
なので上司に即報告。
すると、上司はさすがの対応で、
その男性に毅然と対応し帰っていただきました。
北九州や筑豊では、何かと物騒な話も聞きますが、
「やっぱり大変な土地柄だな…」としみじみ感じた出来事でした…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このお話しをカスハラの視点で分析してみましょう!
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.要求内容の妥当性】
今回は何も具体的なことは要求されていませんが、
「【否決】を取り消せ!審査を通してお金を貸せ!」
と言いたいわけです。
お金がなくて苦しい状況であれば、
そのように要求したくなる気持ちは理解できます。
結局のところ
銀行ってお金を貸す貸さないを決めるわけなので、
銀行の「貸さない」という決断に納得いかなければ
「貸してくれ」って言いたくもなるでしょう。
妥当性については微妙という感じです。
【2.手段・態様の不相当性】
ここは完全アウトでしょう。
名刺を突き出して脅すのはダメでしょ。
これ、「俺は面倒な存在だから、逆らうなよ?」って
暗に言ってるようなもの。
手段としては完全に不相当です。
【3.労働者(私)への影響】
確かにギョッとしたし、
内心は「大声出されるんじゃね?」とドキドキ。
しかし、それで仕事に支障が出るかといえば、特に影響なし。
なので問題ないですね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回の話は、
まさに「要求の仕方が完全に度を超えている」パターンで、
典型的なカスハラ事例です。
さて次回は、私のちょっとした癖が原因でお客様に怒鳴られ
ついには取引解消にまで至った悲しい事件をご紹介します…
次回もお楽しみに♪