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私のカスハラ体験記⑦【ルールVS感情!元教師激怒事件】
前回は、銀行員時代の【口角クレーム事件】をお話ししました。
今回も銀行員時代の話ですが
ルールを守ったら商談が破談になったという
またまた悲しいお話しです…
題して【ルールVS感情!元教師激怒事件】です。
営業を担当していた頃、私が29歳頃のお話しです。
あの頃は、事業性融資、アパートローン、住宅ローン、個人年金保険、投資信託などなど
ノルマが毎月のしかかっているような状態でした。
毎月の目標を達成しなければならないプレッシャー、
特に投資信託のようなリスクが伴う商品は販売に苦戦します。
そんな日々の中、ついに現れた「救世主」候補、
それが公立商業高校を退職された男性のお客様でした。
「退職金も入ったし、何か資産運用を始めたい」
というご主人の言葉に、
「これはいける!」と心の中でガッツポーズを決めた私。
投資信託の概要を説明すると、予想以上に前向きな反応で、
「これで老後も安泰だな!」と笑顔に。
その勢いを受け、
購入していただけるであろう金額を営業課長に報告。
課長の「やったな!」という嬉しそうな顔を見て、
私の心は達成感で満ちていました。
その後、ご夫婦で窓口にご来店いただき、
いよいよ本格的な説明を開始。
ご主人は投資信託の購入に乗り気で、
奥様も「主人が決めたことなら」と静かにうなずいていました。
このまま契約書にサインしてもらえば、ノルマ達成に一歩前進!と思いきや…
問題はここからです。
金融庁の指導に基づき、適合性の原則に従ったヒアリングを進めていたときのこと。
お客様の金融知識や経験、財産状況を確認する必要がありました。
そして、その一環で「預貯金の額」をお聞きした瞬間、場の空気が凍りつきました。
「なんでそんなプライベートなことまで言わなきゃいけないんだ!」
まさかの激怒。
突然の剣幕に驚きながらも、私は冷静に説明しました。
「金融庁の指導で、お客様の資産のバランスを踏まえた提案が必須なんです」
しかし、ご主人の怒りは収まるどころかヒートアップ。
「帰る!」と声を荒げ、そのまま奥様と一緒に店を後にされました。
奥様が一瞬「すみません…」と申し訳なさそうに見えたのが唯一の救いです。
その後、私は営業課長に報告しました。
課長は「ノルマの見込みが消えた」と渋い顔をしましたが、
ヒアリングをした私の対応自体には特に責めることはありませんでした。
しかし、私の胸には一つの疑問が残ります。
「商売のルールを教える立場にいた商業高校の元教師の方が、そのルールに怒るのってどうなの?」
冷静に考えれば、確かにお金の話はデリケートです。
ですが、私たちはルールに従い、適切な提案をするための質問をしていただけ。
それを理解していただけなかったことに、何とも言えないモヤモヤが残りました…
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悲しいお話しですが、カスハラの視点で分析してみましょう。
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.要求内容の妥当性】
要求が
「預貯金なんか聞かずにさっさと投資信託の契約をさせろ!」
ということであればマズいです。
今回は預貯金額のヒアリングを拒否して、
契約の意思も示さなかったという点で特に問題なしだと判断します。
まあ、ノルマ達成もちらつく中
「嫌なら預貯金額は言わなくてけっこうですよ」
と言いたくもなりましたよ。
けど、正直なところ「預貯金額を絶対に言わせてやる!」
という妙な対抗心も湧いてきちゃったんですよ。
国が定めたルールとその意図を説明しても
納得してもらえないのであれば諦めるしかありません…
【2.手段・態様の不相当性】
大声を出してルールを拒否したことについては
相当性に問題ありと言えます。
まあ、普通のトーンで
「預貯金額は言いたくないです」であればよかったんでしょうけど…
【3.労働者(私)への影響】
まあ、ノルマ達成の見込みのお客様を失ったという
営業マンなら誰しも経験するレベルのショックなので問題なしと判断します。
まあ、個人のお客様であれば預貯金額、法人のお客様であれば決算書、
両方とも高度な秘密事項です。
それをオープンにしてもらえるような関係性作りが大事なんだと感じます。
とは言え、法人の社長と比較した場合、
個人のお客様と対面でじっくり深く話す機会は実はほとんどありません。
あったとしても、継続的ではなく一時的なことが多いです。
なので、個人のお客様と真の関係性を築くのは案外難しかったりします。
そこを理解していかに短時間で関係性を築くかということが
大事になってきます。
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前回や今回の話を振り返り、
「自分って個人のお客様との接し方が特に下手くそなんだな」
と改めて感じました…
皆さんは法人と個人、どちらと接するのが得意ですか?
さて次回はいよいよ最終章、
「私のあの言動はカスハラだったかも?」
という事件を紹介します。
次回もお楽しみに♪