ブログ
Z世代シリーズ第5回:Z世代の“辞めたくなる理由”と“定着する職場”の共通点
Z世代シリーズ第5回は、
「なぜZ世代は辞めたくなるのか?」
「どんな職場なら定着するのか?」
というテーマです。
リクルートの調査によると、Z世代の57.2%が
「今の仕事はゆるい(ラク)」と感じているにもかかわらず、
3年以内の離職意向を持っている若手も多くいます。
【昔はOK】「大変でも我慢して続けろ!」
【今はNG】「ラクだけど意味がないなら辞めます」
つまり、Z世代にとって「ラク=続けられる理由」ではなく、
「意味があるかどうか?」が最大の鍵となるということがわかります。
私自身、大学で学生に就職活動のアドバイスを行っていますが、
自分たちの就活時代に比べて、明らかに今の学生のほうが
「成長したい」「社会とつながりたい」という意欲が高いと感じます。
そんな成長意欲に満ちた若者が、いざ就職しても3年以内に辞めてしまうのだとすれば、
その背景には、企業側が“手厚く育てる”ことを重視するあまり、
「任せる仕事の意義」や「挑戦できる環境」を十分に与えられていない現実があるのかもしれません。
Z世代の早期離職を防ぐには、
「ゆるさ」ではなく「意味」や「納得感」で応えるマネジメントが求められています。
また、人間関係の空気感も重要です。
【昔はOK】「職場は戦場、成果がすべて」
【今はNG】「ギスギスした空気は、もう無理です…」
彼らが定着する職場には、次のような共通点があります。
・意見が言いやすい(心理的安全性)
・働き方を選べる(柔軟性)
・小さな成長も見てくれる(実感)
・同調圧力がない(ゆるやかにつながる)
「バリバリ一体感」よりも、「気軽に話せる空気」がある方が、
Z世代にはフィットします。
実際に、ある企業では30~40代の定着率は比較的良好である一方、
20代の社員が次々に離職していくという現象が起きています。
一見、職場の人間関係は悪くないように見えるのですが、
実態はトップダウンの指示が強く、若手にとっては息苦しい空間になっているのです。
30~40代の社員は、ある意味で“あきらめ”や、“耐えることが美徳”という価値観、
あるいは年齢的な転職のハードルの高さといったネガティブな要因によって定着している面があります。
一方で、自分の性格や能力に合った仕事だと感じていたり、
「このあたりが自分のレベルだ」と納得して働いているケースもあり、
そうした“落ち着き”や“現実的な選択”も定着の理由となっています。
一方で20代の社員にとっては、
「苦しい環境に無理して留まる意味」が見いだせません。
「ここでは自分らしく働けない」と感じた瞬間、
迷うことなく別の職場を選ぶのです。
Z世代にとっての“定着”とは、我慢の結果ではなく、
「ここなら自分らしく、意味ある成長ができる」
と感じられる職場かどうかにかかっています。
そして忘れてはならないのが、
「意味づけ」と「対話のある職場」
【昔はOK】「言われたことをやるのが仕事」
【今はNG】「それって、なんの意味があるんですか?」
意味のない仕事や、やらされ感の強いタスクは、
彼らを疲弊させます。
「なぜ今これをやるのか」「どう役立つのか」
を一緒に言語化する姿勢が必要です。
彼らが辞める理由の多くは「つまらない仕事」ではなく、
「誰ともつながっていない感覚」や「わかってもらえない不安」なのです。
ということで、Z世代シリーズは今回で最終回。
「ラクじゃなくて、意味がほしい」
「圧じゃなくて、つながりがほしい」
そんなZ世代の本音に、大人世代がちょっと寄り添うだけで、
職場の空気はずいぶん変わるかもしれません。
次回からは、また別のネタでお届けします。
お楽しみに(^.^)