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雑談と報連相だけでは組織は強くならない
最近、職場での「コミュニケーション」について
考える機会がありました。
「昨日のあのニュース知ってる?」
「うちの娘がさ~」
こうした雑談は相手を知るきっかけになりますし、
関係性づくりには欠かせません。
一方で、
「このクライアントから相談を受けたんだけど、どう対応すればいいだろう?」
「あの案件、進捗状況はどんな感じ?」
といった業務上の会話も、仕事を円滑に進めるためには大切です。
ただ、これらの会話は多くの職場で自然と発生します。
では、それだけで本当に十分なのでしょうか?
結論から言うと――十分ではありません。
例えば、こんなシーンを見たことはないでしょうか。
社長:「今期から○○という取り組みをしよう!」
社員:「……」(内心:めんどい、やだな…)
あるいは、
上司:「君にこの仕事を任せたい」
部下:「え?私がですか?」(なんで私なのよ!)
いざという時に一体感や向上心が欠けている…。
社長や上司からすれば「裏切られた」ような気持ちになる。
実際、こうした場面は少なくありません。
これは、表面的なコミュニケーションをどれだけ積み重ねても、
肝心なときには役に立たない、ということを示しています。
ここでヒントになるのが、
チェスターバーナードが提唱した「組織成立の3要素」です。
①共通の目的(ビジョン、計画)
②協働意思(貢献意欲)
③コミュニケーション
私自身、ある組織で働いていた時のことを思い出します。
与えられた仕事はきちんとこなしていましたが、
周りのスタッフがどれだけ熱量を持って取り組んでいるのか、
まったくわかりませんでした。
周囲も卒なく業務は進めるものの、
組織の目的を議論したり、
「その目的にどう関わっていきたいか」を語り合う場は
一度もなかったのです。
その結果、こんな不安が常につきまといました。
・周りはどんな想いで働いているのかわからない
・自分だけやる気を出しても評価されないのではないか、頑張るだけ損なのではないか
・いざチームで挑戦しようとしても、温度差でうまくいかないのではないか
案の定、目的が共有されない職場では、
いじめや仲間外れ、ハラスメントが平気で行われたり、
それを見ても無関心な人が多くいました。
気づけば、私自身も「周りに無関心」になっていたのです。
何気ない日常会話や最低限の報連相だけでは、
共通の目的への意識や貢献意欲は伝わりません。
だからこそ、いざという時、一致団結しなければならない局面で、
組織は簡単にバラバラになってしまうのです。
必要なのは、もっと本質的な会話です。
「なぜこの仕事をするのか」
「私たちは何を目指しているのか」
「どうすれば互いの強みを発揮できるのか」
こうしたビジョンや貢献意欲を確認し合う会話があることで、
組織のベクトルはそろい、自然とモチベーションや信頼関係が高まります。
つまり職場におけるコミュニケーションは、
雑談で関係性をつくり、
業務会話で課題を解決し、
そしてビジョンや貢献意欲を共有する会話で組織を強くする。
この3層が揃ってこそ、
コミュニケーションは真に機能するのだと思います。
「今日はどんな会話をしているだろう?」
ぜひみなさんも職場で振り返ってみてください(^.^)