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退職代行の功罪を考える。
最近、ネットニュースで「退職代行」が話題になっていましたね。
ある退職代行会社の社員が、
なんと別の退職代行会社を使って退職したというニュース。
いや、もうカオスすぎます笑
この「退職代行」というワード、聞き慣れた方も多いかもしれませんが、
注目され始めたのは今から7年ほど前。
私も当時ヤフーニュースで「退職代行が流行中」という記事を見かけ、
「へぇ、そんなサービスがあるんだ」と軽く流していました。
ところが、翌日ですよ。
私が顧問をしている会社の社長からこんな連絡が。
「木貞さん! 退職代行とかいう謎の会社から社員の退職の申し出が来たんだけど、どういうことだ!?」
びっくりして話を聞くと、どうやらこんなやり取りがあったようです。
社長:「退職くらい自分の口で伝えるのが誠意だろ!ふざけやがって!あいつに俺に直接電話するよう言っとけ!」
退職代行会社:「そのように本人に伝えておきますね」
社長:「なんで急に辞めるのか理由を教えろ!」
退職代行会社:「社長が理由を知りたがっていたと本人に伝えますね」
なんというか、完全に「のらりくらり」の応対…。
これこそまさに「のれんに腕押し」「ぬかに釘」のような手ごたえのなさ。
イライラした社長はついにブチ切れ、電話をガチャ切りしたそうです。
社長と対策を練りましたが、
結果としては退職代行会社から伝えられた内容をすべて受け入れる形で話が終わました。
正直、会社としてできることがないのが現実なのです。
退職代行を使う社員に鉄槌を喰らわすのはほぼ無理です…
ここで一つ疑問に思うかもしれません。
「退職代行を使う人って、会社への誠意がない図太い人ばかり?」と。
しかし、私の考えは少し違います。
「退職??退職代行に頼めば簡単じゃん♩」
って人は少数で
多くの場合、
「職場に行くのが精神的に辛い」「上司に退職を伝えるのが怖い」
といった切実な理由から退職代行に頼る人が多いのです。
実は私も、知人の退職代行を一度だけ引き受けたことがあります。
就業規則に基づき1カ月前に退職の申出をしたのにも関わらず、
「人数ギリギリで回しているので4カ月は来てもらわないと困る!」
「代わりの人を見つけてきて!」
こんな対応だったそうで、
責任感の強い知人は心身ともに憔悴しきっていました。
業務の属人化の対策をしてこなかった会社の怠慢、
人数ギリギリで回して社員の退職のリスクを考えてなかった会社の怠慢には目を向けず
知人1人に過度の責任を負わせるのは見過ごせないと思ったので、退職代行を引き受けました。
その会社、もっと言うと、経営者は経費で豪遊、
社員は最低賃金並みの給料で、責任だけは上場企業並み、
「この会社はアホなのか?」というのが正直な感想…
意外にも、私が電話をしただけであっさりと退職が受理されました。
その知人は
「引継ぎをしないと周りに迷惑が…」
と心配していましたが、
私としては
「【退職しないと心が壊れる】ことよりも引継ぎが重要視される会社の存在意義ってなに?」
という感じです。
そのような会社の存在が退職代行に一定の正当性を与えていることも事実ですし
軽いノリで退職できる手段として活用されているのも事実です。
しかしながら、
この世の中から退職代行会社がなくなる日が来てほしいと本気で思います。
つまり、社員が「辞めたい」と思った時に直接会社に伝えられる関係性であって欲しい
もっと言うと「辞めたい」という言葉が出てこないような職場が当たり前になって欲しい。
私のビジョンを言語化すると
「経営者と社員の幸せの一点を拡げ、成果が生み出す充実感で満ち溢れた職場を創出する」
ということなんですが、
このビジョンが実現できれば、自然と退職代行を使わざるを得ない状況も減っていくと信じています。
ちょっと真面目な話になりましたが、改めて自分のビジョンを実現するため、
関わる企業と真剣に向き合っていきたいと思います(^.^)