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成果を変えたければ、まず関係を変える― 組織の成功循環モデルが教えてくれること
先日、リーダー育成研修として
「組織の成功循環モデル」をテーマにした研修を実施してきました(^.^)
■組織の成功循環モデルとは?
「組織の成功循環モデル」とは、
マサチューセッツ工科大学の組織学習研究者ダニエル・キム博士が提唱した、
組織マネジメント分野では非常に有名な理論です。
このモデルは、
「成果を出す組織と、そうでない組織の違いは何か?」
という問いに対し、
「行動や数字の前に、まず“人と人との関係”がある」
という視点から整理されています。
■成功循環モデルの基本構造
成功循環モデルは、次の4つの流れで成り立っています。
関係の質
↓
思考の質
↓
行動の質
↓
結果の質
この流れは一度きりではなく、結果が次の「関係の質」に影響し、
循環していくという構造になっています。
関係の質が高い職場では、
前向きに考えることができ、主体的な行動が増え、
その結果、成果が生まれやすくなります。
成果が出ることで、
「この職場なら頑張れる」
「このメンバーとなら大丈夫」
という信頼感が育ち、さらに関係の質が高まっていく。
これが成功の好循環です。
■結果から入ると、バッドサイクルに陥る
一方で、多くの職場では、
「結果を出せ」「数字を上げろ」と、結果からマネジメントを始めがちです。
結果だけを強く求めると、失敗を恐れて守りに入り、
言われたことだけをこなす行動が増え、次第に関係の質が下がっていきます。
関係の質が下がると、思考は硬直し、
行動は消極的になり、結果はさらに出にくくなる。
これがバッドサイクルです。
よく聞くと、
「当たり前の話」に感じるかもしれません。
ですが研修の場では、意外にも受講者の皆さんが
「目から鱗でした」
と話されることが少なくありません。
私自身も振り返ってみると、
銀行員時代の最初の配属店はグッドサイクル、
一方で、退職のきっかけとなった二つ目の支店はまさにバッドサイクル。
この理論に、自分の経験がぴったり当てはまるんですよね。
■ワークを通して起きたこと
今回の研修では、この成功循環モデルについて、
今の職場や、過去の職場の出来事を思い出してもらいながら、
約1時間半のワークを行いました。
すると、
「確かに!」
「これ、体感したことある!」
「前の職場は完全にバッドサイクルだった!」
といった声が、自然と出てきます。
このワークの良いところは、理論を「説明されて理解する」のではなく、
自分の経験と結びつけて“納得できる”ところにあります。
■理論が「自分たちのもの」になる瞬間
さらに面白いのは、
その肯定的な意見を聞いている周りの人たちも、
「この理論、すごいですね」
「やっぱり理論って、核心を突いていますね」
と、だんだん前のめりになっていくことです。
こうした空気が生まれると、
次に起こるのは、とてもシンプルです。
「この理論を、みんなで実践していこう」
「まずは【関係の質】を高めるところから始めよう」
という共通認識が、チームの中に自然とできあがっていきます。
この共通認識って、本当に大事なんですよね。
なぜなら、1人だけこの理論を知っていても、
関係性を変えていくのはなかなか難しい。
でも、この理論を仲間みんなが知っている状態になると、
「関係を良くしていこう」という動きがぐっと起こりやすくなるんです。
■今回の研修を終えて
今回の研修も、まさにそんな雰囲気でした。
私が何かを「やれ」と言わなくても、参加者同士の中で、
「じゃあ、明日から何を意識しようか」
という会話が自然に生まれていたのがとても印象的でした。
成功循環モデルは、
特別なテクニックを教えてくれる理論ではありません。
ですが、組織を見る“視点”を変える力があります。
そして、その視点が揃ったとき、
組織は少しずつ、しかし確実に、良い方向へ動き始めるんです。
もし今、
「うちの職場、なんだかうまく回っていないな」
「なかなか結果が出ず、雰囲気も重たいな」
と感じることがあれば、
いきなり結果や行動を変えようとする前に、
今の職場の「関係の質」はどうだろう?
と、一度立ち止まって考えてみてください。
そこに、組織を変えるヒントが隠れているかもしれません(^.^)


