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「不毛地帯」を観て思った「これからは組織だ」の重み
またまたネットフリックスの話題で恐縮です(笑)
最近、山崎豊子原作のドラマ『不毛地帯』を観終わりました。
この作品は、シベリア抑留から帰還した主人公・壹岐正(唐沢寿明)が、
戦後の日本で総合商社マンとして巨大プロジェクトに挑んでいく非常にスケールの大きな物語です。
戦争の傷跡、人間同士の駆け引き、企業同士の争い、
家族の問題、そして人生そのものの悲哀までが重なり合っていて、まさに重厚感あふれる作品でした。
シベリアで共に過ごし、命を落としていった仲間たちへの思い。
妻を不慮の事故で失うという深い悲しみ。
その後に生まれる新たな心のつながり。
さらに、自分の娘がライバル商社マンの息子と結ばれるという、なんとも複雑な人間模様。
観ていて本当に引き込まれました。
その中でも特に印象に残ったのは、終盤、壹岐が役員を退くときの言葉です。
「これからは組織だ!」
若い頃の壹岐は圧倒的な戦略性と情報力、そして突破力で難局を切り開いていきます。
まさに強いリーダーシップで小さかった商社を大きくしていく存在です。
もちろんそういうリーダーの存在は大きいと思います。
創業期や変革期には、
誰かの強い意思や決断がなければ前に進まないことも多いでしょう。
ただ一方で、どれだけ優れた人がいても、
その人ひとりの力に依存し続ける組織には限界があります。
その人がいなくなった途端に止まってしまうからです。
壹岐の最後の言葉には、
まさにその限界を見抜いた重みがあったように感じました。
ここで重なるのが、
チェスター・バーナードのいう「組織成立の3要素」です。
組織が成り立つには、
・共通目的(同じ方向を向くこと)
・協働意思(協力しようとすること)
・コミュニケーション(きちんと伝わり合うこと)
の3つが必要だとされています。
この視点で『不毛地帯』を見ると、
壹岐の最後の言葉の重みがよく分かります。
突出した個人がいる間は会社は前に進む。
しかし、それだけでは「壹岐が動かしている会社」で終わってしまう。
本当に強い会社に必要なのは誰か一人の力ではなく、
方向性の共有、協力し合う意思、そして伝わり合う仕組みです。
これは現代の中小企業にもそのまま当てはまる話だと思います。
社長が優秀で、管理職も頑張っている。
ベテラン社員も支えてくれている。
それでも、
「会社としてどこを目指しているのかが、社員に十分伝わっていない」
「助け合いよりも、遠慮や縄張り意識のほうが強い」
「会議をしても本音が出ず、形だけで終わる」
「情報共有が不十分で、一部の人しか動いていない」
こうした状態であれば、
まだ“組織”になりきれていないのかもしれません。
だからこそ私はリーダー育成も会議支援も、理念浸透も大事だと考えています。
すごい人を一人つくるためではなく、組織として前に進める状態をつくるためです。
『不毛地帯』は単なる名作ドラマというだけでなく、
「強い個人」から「強い組織」へと視点を移す大切さを教えてくれる作品でした。
そんなことを考えながら『不毛地帯』を観終えました。
仕事にも通じる学びの多い作品でしたが、純粋にドラマとしても非常に面白かったです。
さて、次は何を観ようかな(笑)


