グロースパートナー
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2026 / 08 / 24  12:00

上司の何気ない一言は、研修講師になった部下により再利用されるかもしれない(笑)

 

最近、ハラスメント予防研修のご依頼がとても増えています。

ChatGPT Image 2026年8月22日 12_15_31.png

パワハラ、セクハラ。

 

そして、今後ますます重要になってくるカスタマーハラスメント。

 

ありがたいことではあるのですが、

毎週のように研修や準備が続いており、なかなかバタバタしています。

 

その中で、私がパワハラ予防研修の中で

よくお伝えしていることがあります。

 

それは、明らかなパワハラだけが

職場の問題ではないということです。

 

もちろん、怒鳴る、物を投げる、人格を否定する、

無視をする、過大な要求をする。

 

こうした分かりやすいパワハラは、

当然なくしていかなければなりません。

 

ただ、実際の職場では、

そこまで明らかなパワハラばかりが頻繁に起こっているわけではないと思います。

 

むしろ怖いのは、パワハラとまでは言い切れないけれど、

確実に相手の気持ちを削っていく言葉です。

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言った本人は、そこまで深く考えていない。

何気なく言っただけ。

いつもの口癖。

少し注意しただけ。

 

でも、言われた側にはずっと残ることがあります。

 

研修の中で、私はよく

養命酒製造株式会社が以前行った調査を紹介します。

 

東京で働くビジネスパーソンを対象に、

「これまで実際に上司に言われて疲れが倍増したセリフ」

を聞いた調査です。

 

その中で、1位だったのが、

 

「常識でしょ」  「当たり前でしょ」

 

という言葉でした。

 

これ、私も非常によく分かります。

 

私が銀行に入って2年目くらいの頃です。

 

融資係の仕事をしていたときに、

上司からこんなことを言われたことがありました。

 

「こんなの常識でしょ!」

 

そのとき、私は正直カチンときました。

 

「いや、知らんし」

「聞いてないし」

「教わってないし」

と思ったわけです。

 

「常識でしょ」と言われたからといって、

自分を恥じる気持ちにはなりませんでした。

 

むしろ、反感のほうが強くなりました。

 

しかも、その上司が本当に常識的な人なら、まだ分かります。

 

ところが、そうでもなかった。

 

銀行員の結婚式では、

ご祝儀はだいたい一律2万円という暗黙の相場がありました。

 

私の結婚式のときも、支店の皆さんをお呼びしました。

 

多くの方が、2万円を包んでくださっていました。

 

ところが、

その「常識でしょ」と言っていた直属の上司は、

なんと1万円(笑)

 

これには、さすがに驚きました。

 

「あんたが非常識やないか」

と、心の中で思いました。

 

しかも、渡したタクシーチケットを6,000円くらい

使っていて、完全な赤字です(笑)

 

ちなみに、逆に1人だけ

3万円を包んでくださった方もいました。

 

それも、今でも覚えています。

 

結局、何十年経っても覚えているのは、

1万円だった人と、3万円だった人です。

 

人の記憶というのは、なかなか恐ろしいものです(笑)

 

もちろん、今となっては笑い話です。

 

ただ、当時はやはり引っかかりました。

 

「常識でしょ」  「当たり前でしょ」

という言葉は、相手に反省を促すというより、

相手を下に見ているように聞こえることがあります。

 

言われた側は、

「なるほど、次から気をつけよう」

とはなかなか思えません。

 

むしろ、

「あなたに言われたくない」

という気持ちが出てくることもあります。

 

 

もう一つ、今でも忘れられない言葉があります。

 

これは、私が銀行員5年目くらいのときです。

 

その支店で、パートさんが退職されることになりました。

 

そこで、皆で色紙に

お別れの言葉を書くことになりました。

 

私は、何を書こうか少し考えていました。

 

直接ボールペンで書くと修正できないので、

一度、別の紙に下書きをしていたのです。

 

すると、その様子を見た支店長から

こう言われました。

 

「そんなものに時間をかけるのは、三流のサラリーマンだ」

「そんなものは、ささっと書けるくらいでないと一流にはなれない」

 

その瞬間、私はかなりカチンときました。

 

退職される方に対して、心を込めた言葉を伝えたい。

 

だから、少し考えて、丁寧に書きたい。

私はそう思っていました。

 

それを、

「そんなもの」

と言われたように感じたのです。

 

もちろん、仕事にはスピードも大切です。

 

何でもかんでも時間をかければよい、という話ではありません。

 

ただ、人に向ける言葉まで、機械的にささっと処理することが

一流のサラリーマンなのか。

 

私は、今でもそうは思っていません。

 

その支店長からすれば、

仕事の優先順位やスピード感を教えたかったのかもしれません。

 

ただ、私にはそうは伝わりませんでした。

 

むしろ、

「この人は、人の気持ちを大事にしない人なのかな」

という印象が残りました。

 

かなり昔の話です。

 

それでも、今でも覚えています。

 

言われた場面も、

そのときの感情も、

かなりはっきり残っています。

 

こう考えると、

上司の何気ない一言というのは、本当に怖いものです。

 

パワハラとまでは言えないかもしれない。

法的に問題とまでは言い切れないかもしれない。

 

でも、相手の中には残る。

 

しかも、元気づけられた言葉よりも、

傷ついた言葉や、カチンときた言葉のほうが長く残ることがあります。

 

もちろん、良い言葉も覚えています。

 

頑張ったときに、上司から

 

「木貞、よくやったな!」

と言われたことも覚えています。

 

あれは素直にうれしかったです。

 

ただ、残念ながら、人を傷つける言葉のほうが、

強く記憶に残ってしまうこともあります。

 

だからこそ、管理職やリーダーの方には、

自分が普段何気なく使っている言葉に少し敏感になってほしいと思っています。

 

「常識でしょ」

「当たり前でしょ」

「自分で考えてやれ」

「勝手にやるな」

「仕事だから我慢しろ」

「前例がないから無理」

 

一つひとつは、何気ない言葉かもしれません。

 

でも、言われた側は、

そこでやる気をなくすことがあります。

 

反感を持つことがあります。

自信を失うことがあります。

 

そして、その言葉を

何年も忘れられないことがあります。

 

逆に、たった一言で救われることもあります。

 

「よくやったな」

「助かったよ」

「ここまで考えてくれてありがとう」

「次はこうしてみようか」

 

そうした言葉が、

相手の行動を前向きにすることもあります。

 

何が言いたいのかというと、

言葉は、相手を疲れさせることもあれば、

元気づけることもあるということです。

 

日々の何気ない一言が、

周囲の人の気持ちや行動に影響を与えています。

 

だからこそ、リーダーや管理職は、

自分の言葉の使い方を見直していく必要があるのだと思います。

 

私自身も、研修で偉そうに話しながら、

つい相手の気持ちを削るような言葉を使ってしまっているかもしれません。

 

そこは気をつけなければいけません。

 

それにしても、

「常識でしょ」と言われたことも、

「三流のサラリーマンだ」と言われたことも、

今でもはっきり覚えています。

 

言った本人は、きっともう覚えていないと思います。

 

でも、言われた私は、

こうして23年後くらいにブログのネタにしているわけです。

 

上司の何気ない一言は、部下の中で意外と長期保存されます。

 

しかも、場合によっては、研修講師になった部下によって、

多くの会社で再利用され拡散されます(笑)

 

言葉には、想像以上に寿命がある。

 

そんなことを、自分の経験からも感じています。

2026.08.25 Tuesday