グロースパートナー
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2026 / 08 / 17  12:00

「女王の教室」と、怖かった支店長の記憶

またまたNetflixの話で恐縮ですが、

先日『女王の教室』を観ました。

 

かなり前のドラマだとは思っていましたが、

調べてみると、放送は2005年でした。

 

志田未来さんが小学生役で出演されていたので、

「そりゃ昔のドラマだよな」と思ったのですが、

あらためて観ると、やはりすごいドラマでした。

 

天海祐希さんが演じる、小学校6年生の担任教師・阿久津真矢。

 

とにかく厳しい先生です。

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連帯責任。

成績による扱いの差。

最下位の生徒への罰。

子どもたちに対する冷たい言葉。

 

会社で言うなら、

今なら完全にパワハラと言われかねない場面もかなりあります。

 

ただ、ドラマを観ていくと、

その厳しさには真矢なりの理由があることも少しずつ分かってきます。

 

子どもたちがこれから中学、高校、大学、そして社会に出ていく中で、

理不尽さや厳しさに負けず、自分の頭で考えて生きていけるようになってほしい。

 

そのために、あえて鬼のような教師を演じている。

 

本編の後に描かれるスペシャル版では、

真矢がもともとは熱血教師だったことも描かれています。

 

しかし、熱血だけでは届かない。

 

先生と生徒が友達のような関係になるだけでも、

子どもたちを本当に鍛えることはできない。

 

そう考えた結果、自分が信じる教育を実現するために、

あえて怖い教師の仮面をかぶったのだと思います。

 

このドラマを観ていて、

私は銀行員時代のある支店長を思い出しました。

 

私が銀行に入って、たしか23歳か24歳くらいの頃です。

 

二人目にお世話になった支店長が、まさに阿久津真矢のような人でした。

 

とにかく怖い。

怒鳴る。

机を叩く。

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支店の営業中で、ロビーにお客様がいるにもかかわらず、

大きな声で部下を叱っていたときはドン引きしました…

 

銀行は試験が多い職場です。

 

そして試験に落ちると、

その結果がまず支店長のもとに届きます。

 

そうすると、朝礼で支店長が激怒する。

 

成績表のようなものを投げつけられる。

 

そんなこともありました。

 

私も、「ああ、これは落ちたな」

と思う試験がありました。

 

その結果が支店長に届く前に、どうにかして強奪できないかと

本気で考えたことがありますが、今考えると、

発想がかなり追い込まれています(笑)

 

それくらい、怖い支店長でした。

 

ところが、その支店長には、少し違う顔もあったようです。

 

ある特定の役席の方にだけは、

普段とは違う素顔を見せていたそうです。

 

その役席の方は、

自分にも厳しく、他人にも厳しくできる人でした。

 

だからこそ、支店長もその方に対しては、

少し気を許していたのかもしれません。

 

私たち若手や、他の役席の方々に対しては、

かなり厳しく接していました。

 

しかし、その役席の方には、少しやわらかい表情を見せたり、

本音に近いことを話したりしていたようです。

 

当時の私は、そんな話を聞いても正直、

「本当に同じ人の話ですか?」

と思っていました。

 

ただ、今になって考えると、あの支店長も、やはり

“怖い支店長”を演じていたのかもしれません。

 

若手が甘えないように。

手を抜かないように。

緊張感を持って仕事に向き合うように。

 

そのために、あえて厳しい支店長の仮面を

かぶっていたのかもしれません。

 

そして、その仮面を完全に外せる相手は、

支店の中でもごく限られていたのだと思います。

 

もちろん、今の時代に同じやり方が

そのまま通用するとは思いません。

 

むしろ、今なら問題になる場面も多かったと思います。

 

ただ、当時の支店長なりに、

「部下を育てるためには、こうあるべきだ」

という信念があったのかもしれない。

 

『女王の教室』を観ながら、そんなことを思い出しました。

 

ここで思い出したのが、以前メルマガでも少し触れた

『リーダーの仮面』という本です。

 

識学というコンサルティング会社を設立した、

安藤広大さんの著書です。

 

この本の中で印象的なのは、

リーダーは部下に好かれることを目的にしてはいけない、という考え方です。

 

リーダーの役割は、

部下を成長させ、チームの成果を最大化すること。

 

そのためには、いい人でいようとするのではなく、

リーダーとしての仮面をかぶり、やるべきマネジメントに集中する。

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そんな考え方です。

 

これを読んだとき、なるほどと思う部分もありました。

 

たしかに、上司が

「いい人でいたい」

「嫌われたくない」

「部下から尊敬されたい」

という気持ちを優先しすぎると、

言うべきことが言えなくなることがあります。

 

注意すべき場面で注意できない。

基準を曖昧にしてしまう。

結果よりも関係性を優先してしまう。

 

そうなると、

部下の成長にも、チームの成果にもつながりません。

 

そういう意味では、

リーダーが仮面をかぶるという考え方は、とてもよく分かります。

 

『女王の教室』の阿久津真矢も、最後まで仮面を外しませんでした。

 

子どもたちに対して、

簡単に笑顔を見せることもありません。

 

本当は笑顔を見せたいときでも、

自分が信じる教育を貫くために、鬼のような教師を演じ切った。

 

そこには、かなりの覚悟があったのだと思います。

 

銀行員時代の支店長も、

もしかすると同じだったのかもしれません。

 

人に嫌われるかもしれない。

 

やりすぎたかなと悩むこともあったかもしれない。

 

それでも、成果を上げるため、部下を鍛えるため、

支店を引き締めるために、あえて厳しいリーダーを演じていた。

 

そんなふうに考えると、

当時とは少し見え方が変わります。

 

ただし、ここはとても難しいところです。

 

私は、厳しいリーダーを演じ切ることだけが、

正解だとは思っていません。

 

たしかに、リーダーには、言うべきことを言う覚悟が必要です。

 

基準を示すこと。

成果に向き合うこと。

部下に嫌われることを恐れすぎないこと。

 

これは、リーダーとして大切なことだと思います。

 

一方で、厳しさだけで人が育つわけでもありません。

 

部下との会話を重ねること。

目標を一緒に確認すること。

悩んでいるときには、

必要に応じて手を差し伸べること。

 

そうした関わりも必要です。

 

つまり、リーダーに必要なのは、ただ怖い仮面をかぶることではなく、

相手の成長と組織の成果に向き合う覚悟なのだと思います。

 

そのために、厳しく言う場面もある。

支える場面もある。

任せる場面もある。

待つ場面もある。

 

その判断をし続けることが、リーダーの難しさなのだと思います。

 

私自身、阿久津真矢のようなリーダーには

なかなかなれません。

 

銀行員時代の支店長のように、

怖い仮面をかぶり続けることも、たぶん難しいです。

 

ただ、

「いい人でいたい」

という気持ちだけで、リーダーの役割から逃げてはいけない。

 

ここは、あらためて考えさせられました。

 

『女王の教室』は、かなり極端なドラマです。

 

でも、極端だからこそ、リーダーやマネジメントについて

考えさせられる部分がありました。

 

「いい加減、目覚めなさい」

 

阿久津真矢の有名な言葉ですが、リーダーにとっても、

なかなか耳の痛い言葉かもしれません。

 

部下に好かれることばかり考えていないか。

 

厳しく言うことから逃げていないか。

 

逆に、厳しさを正当化して、

相手の気持ちを置き去りにしていないか。

 

そんなことを、

自分自身にも問いかける必要があるのだと思います。

 

それにしても、Netflixで昔のドラマを観ているはずなのに、

気づいたら銀行員時代の支店長のことまで思い出していました。

 

当時は本当に怖かったですし、

正直、恨みに近い感情もあったと思います。

 

でも今は、その経験をハラスメント予防研修で話すことで、

その恨みを少しずつ成仏させているのかもしれません(笑)

 

成績表を投げられた20代の私が、50代になって、

「これは身体的な攻撃に該当する可能性があります」

と冷静に解説しているわけです。

 

かなり時間差のある反撃です。

 

当時の怖かった記憶を、

研修の場にそっと生贄として差し出しているようなものですね。

 

我ながら、

ずいぶん社労士らしい反撃の仕方だなと思います(笑)

 

2026.08.17 Monday