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「娘さんを大切にします!」という言葉よりも、スーパー3軒のはしご
先日、出張の帰りに、
東京に住んでいる長女に会ってきました。
渋谷駅で待ち合わせをして、一緒に食事をしました。
食事を終えた後、長女から、
「今からうち来る?」と言われました。
実は長女、
少し前に引っ越しをしていたんですね。
引っ越す前の家には何度か泊まりに行ったことがあったのですが、
新しい家にはまだ行ったことがありませんでした。
せっかくなので、
「じゃあ、行ってみようかな」
ということで、ついていくことにしました。
すると長女が、
「今渋谷駅だけど、10分後には家の中にいるよ」
と言うんですね。
「えっ、そんなに近いの?」
と思いながらついていったのですが、本当に10分ほどで到着。
ついさっきまで渋谷駅にいたのに、もう長女の家にいる。
池尻に引っ越したそうですが、なかなか便利なところです。
「めちゃめちゃいいところに住んでるじゃん!」
と、まずそこに驚きました。
そして、もう一つ驚いたことがありました。
長女には彼氏がいて、
半同棲のような生活をしているのですが、その彼にも会いました。
身長は181センチくらい。
私も178センチあるのですが、それより少し高い。
なかなかのイケメンです。
そして、気になるお仕事はというと、
Uber Eatsの配達員と、SNSでの発信活動。
TikTokやXなどで活動しているそうです。
いわゆるインフルエンサーというのでしょうか。
しかも大学中退。
一昔前の頑固親父だったら、どうでしょう?
娘が売れないミュージシャンやお笑い芸人を連れてきたら、
「そんな仕事で食っていけるのか!」
「お前に娘を幸せにできるのか!」
なんて言いそうなものです。
私もそうなるのかなと思ったのですが、
不思議なことに、まったくそんな気持ちにはなりませんでした。
むしろ、今はこういう働き方もあるよな、
と思ったんですね。
自分の時間を調整しながら配達の仕事をして、
SNSでも活動する。
それで今後どうなるかは分かりませんが、
こういう働き方も一つの選択肢なんだろうと思います。
それよりも印象的だったのは、彼の長女への接し方です。
どうやら、うちの娘のことが相当好きなようです。
料理を作ってくれたり、掃除や洗濯をしてくれたり。
娘が食べたい料理をリクエストすると、
食材を探してスーパーを2軒、3軒と回ることもあるそうです。
なかなかの尽くしっぷりです。
一昔前なら、男性が外で働いて女性が家事をする。
そんな価値観も強かったと思います。
でも、今は違います。
どちらが働いて、どちらが家事をするか。
どんな仕事をして、どう生活するか。
本当にいろいろな形があります。
私自身も、昔の価値観にとらわれている部分があるのかなと思っていましたが、
意外とすんなり受け入れられました。
少なくとも、娘を大切にしてくれていることは、
それらの行動を聞いてよく伝わってきました。
ちなみに、彼もお酒が好きらしいのです。
私もお酒は大好きなので、そこはちょっと嬉しいところです。
今回は、その後に車を運転する予定があったので、
一緒に飲むことはできませんでした。
ただ、彼からは、
「今度、佐賀にも遊びに行きます」
と言ってもらいました。
ぜひ、そのときは一緒に飲んで、
酒を酌み交わしたいなと思っています(^^)
今回、彼と会って感じたのは、
職業や学歴といった肩書きだけでは、その人のことは分からないということです。
そして、もう一つ。
「娘さんを大切にします」
そう言ってもらえたとしたら嬉しいのですが、
実際に料理を作ったり、
掃除や洗濯をしたり、
娘のためにスーパーを何軒も回ったり。
そういう行動を聞いた方が、父親としては安心するんですね。
大切に思っているという気持ちが、実際の行動に表れているからです。
考えてみると、
これは会社でも同じことが言えるのではないでしょうか。
例えば、
「お客様を大切にする」
という価値観を持っていたとしても、
お客様からの問い合わせに返事をしない。
約束した納期を守らない。
困っているお客様を見ても、誰も対応しない。
これでは、いくら
「お客様を大切にしています」
と言っても、なかなか伝わりませんよね。
逆に、問い合わせに素早く対応したり、
困っているお客様に自分から声をかけたり。
そういう日頃の行動があるからこそ、
その会社が何を大切にしているのかが伝わるのだと思います。
実は、私が仕事で関わっている経営理念や行動指針についても、
まさにこの部分が大切だと感じています。
会社では、経営理念や行動指針を作ることがあります。
社員みんなで考えた行動指針を
「バリュー」と呼ぶこともあります。
ただ、こうしたものは、どうしても抽象的になりがちです。
「お客様を大切にする」
「仲間と協力する」
「迅速に対応する」
どれも大事なことです。
ただ、これを毎日唱和したり、感想を述べたりするだけで、
本当に行動が変わるでしょうか。
もちろん、理念を知ることや理解することも大切です。
でも、知っていることと、実践できていることは別です。
そこで、私が関わっている会社では、
「バリューディスカッション」
という取り組みを行っています。
これは、バリューを題材にして、社員同士で話し合うものです。
進め方は、大きく4つです。
①このバリューの要点は何か?
まず、そのバリューが本当に伝えたいことは何なのかを考えます。
単に書いてある言葉を読むのではなく、
何を大切にすべきなのかを自分たちの言葉にします。
②それを実践すると、ステークホルダーにどんな良い影響があるか?
お客様、取引先、同僚、会社などに、
どんな良い影響があるのかを考えます。
ここで、その行動をする意味が少しずつ見えてきます。
③今できていること、できていないことは何か? できていない理由は何か?
実際の仕事に当てはめて考えます。
できていることは何か。
できていないことは何か。
そして、できていないのであれば、なぜできていないのか。
ここでは、かなり具体的な問題が出てきます。
④今すぐできることは何か?
最後に、これから何をするのかを考えます。
できれば、誰が、いつまでに、
何をするのかまで決めていきます。
こうして話し合うと、不思議なことに、
抽象的だったバリューが、実務の話に変わっていきます。
「ここがうまくできていないよね」
「このやり方は見直した方がいいんじゃないか」
「だったら、明日からこうしてみよう」
そんな意見が出てくるんですね。
やっていることは、
もう普通の業務改善会議に近いものです。
ただ、一つ違うのは、
バリューという共通の価値観を出発点にしていることです。
単に目の前の問題を解決するのではなく、
「そもそも、私たちは何を大切にしているのか」
「その価値観に照らして、今の仕事のやり方はどうなのか」
という視点で考えます。
そのうえで、改善策を決めて実行し、次回の会議で振り返る。
こうすることで、
バリューがPDCAを回すための一つの基準になっていきます。
私自身、このディスカッションを進めながら、
いろいろな気づきがあります。
実際の業務上の問題が出てきますし、
社員さんが普段どんなことを考えて仕事をしているのかも分かります。
経営理念や行動指針は、作ることが目的ではありません。
大事なのは、それを日々の仕事でどう実践するかです。
いくら立派な理念を掲げていても、
現場の行動につながっていなければ、少しもったいないと思います。
逆に、少し抽象的な言葉であっても、
こうして具体的な行動に落とし込むことができれば、十分に役立ちます。
もし、すでに行動指針やバリューがある会社であれば、
ぜひ今回の4つの質問を使って、社員さん同士で話し合ってみてください。
理念を読むだけで終わらせず、実際の行動につなげていく。
そこまで取り組んでこそ、意味があるのだと思います。
さて、話を長女の彼氏に戻しますが、
彼が娘のためにスーパーを2軒、3軒と回ってくれるという話。
私が娘から料理をリクエストされたら、スーパーを3軒も回るかどうか?
たぶん面倒くさくて回りません(笑)
そう考えると、
「娘を大切にする」というバリューについては、
今のところ彼の方が実践できているのかもしれません(笑)



