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自分のメンタルブロックを周りに話すことで、相互支援が生まれる
先日、ある企業でリーダー育成研修を行ってきました。
全6回シリーズの最終回です。
今回のテーマは、
「自分にはどんなメンタルブロックがあるか。 それをどう乗り越えるか」
というものでした。
メンタルブロックとは、
自分で自分の可能性や行動を制限してしまうことです。
否定的な思い込みや、
心のブレーキと言ってもいいかもしれません。
もちろん、これは私にもあります。
私は再独立して、 今で3年半ほどになります。
開業した当初は、
「どんなことでもやるぞ」
という気持ちでした。
自分にブレーキをかける余裕もないくらい、
とにかく目の前のことに取り組んでいたように思います。
ただ、3年ほど経つと、
少しずつ売上も安定してきます。
自分の仕事のパターンもできてきます。
すると今度は、
「ここからさらに何ができるだろうか」
と思う一方で、
「もうこれ以上は難しいんじゃないか」
と思ってしまうこともあります。
たぶん、こういう心のブレーキは、
誰にでもあるのだと思います。
今回の研修では、
まず自分にはどんなメンタルブロックがあるのかを 考えてもらいました。
そして、
同じような悩みを持っている人に対して、
自分ならどんなアドバイスができるか。
逆に、 自分はどんなアドバイスを聞いてみたいか。
そういったことを、 ワークを通じて考えてもらいました。
このワークをしていて感じたのは、
人は、自分が言葉にしたことには
アンテナが立ちやすくなるということです。
自分がアドバイスをする立場になると、
相手の話をよく聞こうとします。
相手が何に悩んでいるのか。
何を大事にしているのか。
どこで立ち止まっているのか。
そういうことに、 自然と耳を傾けるようになります。
また、相手の話を聞くことで、
その人が普段どんなことを意識しているのかも見えてきます。
これは、とても大事なことだと思います。
今回のワークでは、
自分の悩みを話す場面がありました。
なかなか行動できていないこと。
なぜ行動できないのか。
その奥にどんな思い込みがあるのか。
そういったことを言葉にしてもらいます。
これは、ある意味、
自分の弱みを見せることでもあります。
普段の仕事の中で、
自分の弱みや不安を話す機会は あまり多くありません。
むしろ、弱みを見せると、 評価が下がるのではないか。
信頼されなくなるのではないか。
そう感じてしまう人もいると思います。
私が以前いた銀行も、
そういう弱みはなかなか見せにくい雰囲気がありました。
成績を上げる。
周りに負けない。
他の人よりも成果を出す。
そういう空気の中では、
自分の不安や悩みを出すのは難しいものです。
本当に仲のいい先輩に、
愚痴をこぼすくらいだったかもしれません。
ただ、中小企業の場合は、 少し違う面があると思います。
年齢も違う。
経験も違う。
これまでの背景も違う。
いろいろな人が集まって、
社長を中心に一つの会社をつくっています。
そういう職場では、
お互いの悩みや弱みを知ることが、
相互支援につながることがあります。
「あの人も、そんなことで悩んでいたんだ」
「それなら、自分が少し手伝えるかもしれない」
「自分だけが悩んでいるわけではなかったんだ」
そういう気づきが生まれます。
実際、研修後のアンケートでも、
「みんないろいろな思いがあるんだと思った」
「どうやって乗り越えてきたのかを聞けて参考になった」
「本音を話すことは、怖いことではないのかもしれない」
という声がありました。
これは、研修をしていて とても嬉しい感想でした。
また、今回の研修では、
もう一つ大事なワークを行いました。
それは、
「昔はできなかったけれど、今はできるようになったこと」
を思い出してもらうワークです。
これは、大きなことでなくても構いません。
完璧にできるようになったことでなくてもいい。
昔より少しできるようになったこと。
前より抵抗がなくなったこと。
少しだけ前に進めたこと。
そういうものを思い出してもらいました。
そして、
なぜそれができるようになったのかも考えてもらいました。
注目する点を変えたのかもしれません。
考え方を変えたのかもしれません。
行動を少し変えたのかもしれません。
周りの人に助けてもらったのかもしれません。
いずれにしても、 皆さんそれぞれ、
何かしらの壁を乗り越えてきています。
ここで私が伝えたかったのは、
自分を変える力は、 すでに自分の中にあるということです。
人は、自分の力を過小評価してしまうことがあります。
過去に乗り越えてきたことを、
忘れてしまうこともあります。
でも、よく思い出してみると、
誰でも何かを乗り越えてきています。
昔はできなかったことが、
今は少しできるようになっている。
昔は苦手だったことが、
今は前ほど苦手ではなくなっている。
それは、ちゃんと変わってきたということです。
だから、
比べる相手は、
他人ではなく過去の自分でいいのだと思います。
あの人よりできているか。
あの人より優れているか。
そう考えると、
どうしても苦しくなります。
でも、過去の自分と比べれば、
ちゃんと変わってきたことが見えてきます。
今回のアンケートでも、
「過去にできるようになったことを振り返って、
自分にも成長する力があると感じた」
「みんな似たようなところで悩んでいるんだと思った」
「否定的になったときは、
過去に頑張ってきた自分を思い出したい」
という声がありました。
こういう感想を見ると、
研修でお伝えしたかったことが
少し届いたのかなと思います。
そして、今回もう一つ感じたことがあります。
それは、 講師である私自身も、
受講者の皆さんから勇気をもらっているということです。
冒頭でも書いたように、
私自身にもメンタルブロックはあります。
「もっとできることがあるのではないか」
と思いながらも、
「いや、もうこれ以上は難しいのではないか」
と思うこともあります。
でも、受講者の皆さんが、 自分の悩みを言葉にし、
それでも前に進もうとしている姿を見ると、 私自身も励まされます。
皆さんも頑張っている。
それなら、自分ももう少し頑張らないといけない。
そんな気持ちになります。
研修というと、
講師が受講者に何かを伝える場だと思われがちです。
もちろん、それは間違いありません。
ただ、実際には、 講師も受講者の皆さんから
たくさんの気づきをもらっています。
自分の弱みを言葉にすること。
相手の悩みに耳を傾けること。
過去の自分の成長を思い出すこと。
それが、
自分を少し前に進めるきっかけになる。
今回の研修を通じて、 改めてそう感じました。
リーダーに必要なのは、
いつも強く見せることだけではないと思います。
自分にも不安がある。
迷いがある。
それでも、 自分を少しずつ変えていこうとする。
そして、周りの人の悩みにも耳を傾ける。
そういう姿勢が、
職場の中で相互支援の関係をつくっていくのだと思います。
今回の研修は、
全6回シリーズの最終回でした。
最後に、 皆さんが自分の言葉で悩みを話し、
お互いにアドバイスをし合い、
過去の自分の成長を思い出している姿を見ることができました。
研修講師として、 とてもありがたい時間でした。
そして、私自身もまた、
少し自分のメンタルブロックと向き合ってみようと思いました。
講師なのに、 最後は私が勇気をもらっている。
これもまた、
研修という仕事の面白さなのだと思います(^.^)


