グロースパートナー
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2026 / 10 / 26  12:00

社長の思いは、社員に直接伝えるだけが正解じゃない

先日、佐賀県中小企業家同友会の例会に参加してきました。

 

この同友会には、もう10年以上所属しています。

 

今回の例会のテーマは、

 

「会社は社員とつくる ~人を生かす経営を現場でどう実践してきたのか~」

 

というものでした。

企業セミナーで語る講演者.png

そして、グループディスカッションのテーマは、

 

「あなたの会社には、あなたの思いに共感し、語れる社員はいますか?」

 

というもの。

 

私の場合、一人で事務所をやっているので、

いるかと言われれば、いないわけですが(笑)

 

ただ、今回の例会では、非常に興味深い話を聞くことができました。

 

それは、

 

「どうすれば、社長の思いに共感し、その思いを自分の言葉で語れる社員が育つのか?」

 

ということです。

 

今回の報告者の方は、

そのために実践していることをいくつか紹介されていました。

 

まずは、とにかく経営理念を伝え続けること。

 

単に理念を唱和するだけではなく、

理念について社員がどう思っているのか、

話し合う機会を設けるということでした。

 

また、中小企業家同友会で学んだことや、

経営者同士でディスカッションした内容についても、随時社員さんに伝えているそうです。

 

こうした取り組みも、とても大切なことだと思います。

 

ただ、私が今回一番印象に残ったのは、それとは別の取り組みでした。

 

それは、

 

「社長である自分が社外で経営について発表するときに、社員をその会場に連れていく」

 

ということです。

 

これを聞いて、

 

「なるほどな!」

 

と思ったんですね。

 

例えば、会社の朝礼や会議で、

社長が自分の思いや経営理念について語ることがあります。

 

もちろん、これは大切なことです。

 

ただ、社員の立場からすると、

どうしても「自分たちに向けて言われている」という受け止め方になりやすいと思います。

 

中には、

 

「また社長が同じことを言ってるよ」

 

なんて思う社員もいるかもしれません(笑)

 

ところが、これが社外での発表になると、少し状況が変わります。

 

社長が話している相手は、自分たち社員ではありません。

 

会場にいる、他の中小企業の経営者たちです。

 

そこで社長が、自社の経営理念や大切にしていること、

これまでの取り組みなどを一生懸命に語る。

 

社員は、それを会場で聞いているわけです。

 

すると、社員の立場も少し変わるのではないでしょうか。

 

いつもは社長から話を聞く立場ですが、

このときは、自分たちの社長が発表している姿を見守る立場になります。

 

もしかすると、

 

「社長、頑張れ!」

 

と、応援するような気持ちにもなるかもしれません。

ホテル会議室の講演と熱心な聴衆.png

同じ社長の話なのに、

聞く場所や立場が変わるだけで、受け止め方も変わってくる。

 

人間って、面白いものですね。

 

そして、私がもう一つ大きいと思ったのが、他の経営者からの評価です。

 

例えば、社長の発表を聞いた経営者から、

 

「それは素晴らしい取り組みですね」

 

「なるほど、うちの会社でも取り入れたいです」

 

「そこまでやっているんですね。うちはまだできていません」

 

そんな言葉が出てきたとします。

 

それを社員が聞いたら、どう感じるでしょうか。

 

普段、会社の中にいると、自分たちがやっていることが、

他の会社と比べてどうなのか、なかなか分からないものです。

 

でも、他の経営者が評価している姿を見ることで、

 

「うちの会社って、結構いいことをやっているんだな」

 

「社長がいつも言っていることって、他の経営者から見ても大切なことなんだな」

 

そんなふうに感じる機会になるのではないでしょうか。

 

場合によっては、

 

「うちの社長って、他の会社より一歩先を行っているのかも」

 

なんて思うこともあるかもしれません。

 

これって、結構大きいと思うんですね。

 

社長が自分で、

 

「うちの会社はいい会社だ!」

 

「うちは素晴らしい取り組みをしている!」

 

と言うのと、

 

社外の経営者から、

 

「御社の取り組みは素晴らしいですね」

 

と言ってもらうのとでは、社員の受け止め方も違うと思います。

 

第三者から評価されることで、

自分たちの会社の良さに、改めて気づくことがあるわけです。

 

そして、それが自社への誇りや、社長への信頼につながっていく。

 

私は、そこに大きな意味があると感じました。

 

もちろん、社長が社員に直接思いを語ることは大切です。

 

理念について話し合うことも、

日頃から繰り返し伝えていくことも必要だと思います。

 

ただ、それだけが方法ではないんですね。

 

社員に直接伝える。

 

社員と話し合う。

 

そして、社長が社外に向けて思いを語る姿を、社員に見てもらう。

 

こうした方法を組み合わせることで、

社長の思いは、より伝わりやすくなるのかもしれません。

 

特に、社外での発表は、

社員がいつもとは違う立場から社長の話を聞く機会になります。

 

社長を応援する立場になったり、

社外からの評価を通じて、自分たちの会社を客観的に見つめたり。

 

そうした経験を通じて、

これまでとは違う形で、社長の思いや会社の価値観を

理解することもあると思います。

 

経営理念を浸透させるというと、

どうしても「どうやって社員に伝えるか」ということを考えがちです。

 

でも、今回の例会で感じたのは、

 

「どうすれば、社員が自分から社長の思いを受け止めたくなるのか」

 

という視点も大切なんだろうな、ということです。

 

言葉の内容は同じでも、誰に向けて語っているのか。

 

社員がどんな立場で聞いているのか。

 

そこが変わるだけで、伝わり方も変わることがある。

 

今回の例会では、そんなことを考えさせられました。

 

10年以上同友会に所属していますが、

まだまだ新しい気づきがあるものですね。

 

私も研修講師として、

「何を伝えるか」だけではなく、「どういう場面で、どう伝わるか」

ということを、もっと意識していきたいと思います(^.^)

2026.10.26 Monday