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人が働く理由の変化とリーダーの役割
先日、銀行の時の先輩から招待いただき、
先輩の所属するグリークラブの演奏会に行ってきました♪
男声合唱はハーモニーの質感がたまらないですし
トップテノールのキンキンな声や、バスの地を這うような重低音は興奮します笑
先輩も55歳過ぎには見えず、相変わらず若々しかった(^.^)
さて今回は
「人が働く理由の変化」
と
「リーダーの役割の進化」
についてお話しします。
最近よく、
「仕事だから頑張るのは当たり前」
「残業を嫌がるのはけしからん」
「昔は今と違って厳しかった」
というような前時代的なセリフを発するリーダーが
職場の雰囲気を壊していて困っているというような相談が増えました。
そのような相談は相対的には減っていますが
ただ表に現れなくなっただけで
まだまだそんな思考が根強く残っているということなんでしょう。
時代ごとに働く理由が変わり、
それに応じてリーダーの役割も進化してきました。
時代の流れを理解せず、単に古い価値観に押し付けるのか?
それとも
時代の流れを理解した上で敢えて苦言を呈するのか?
当然後者であればいいのですが、
前者の方が多いのも事実。
そこで、労働の考え方の時代の流れとその時々のリーダーの役割りについて
エドガー・H・シャインの「人間モデルの変遷」を参考に解説します。
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【1910年代:経済人モデル】
この時代、人は生活のために働きました。
金銭的報酬が主な動機で、効率的な成果が最優先でした。
リーダーの役割
給与やボーナス制度を明確化し、
目標達成に焦点を当てたマネジメントを行うことが求められました。
【1930年代:社会人モデル】
物質的欲求が満たされると、
働く理由は「社会的欲求」へと変化しました。
人は仲間と働く喜びや安心感を求めるようになりました。
リーダーの役割
コミュニケーションを重視し、信頼関係を築くことで、
チームの一体感を高める必要がありました。
【1950年代:自己実現モデル】
自己成長や自己実現が働く理由の中心となりました。
人は可能性を伸ばし、自分らしく生きるために働きました。
リーダーの役割
部下の成長を促し、挑戦の機会ややりがいを提供することが
リーダーに求められるようになりました。
【1980年代:複雑人モデル】
働く理由は人それぞれに多様化しました。
家族、自己成長、社会貢献など、理由は多岐にわたります。
リーダーの役割
部下一人ひとりの動機や価値観を理解し、柔軟な対応を行う必要があります。
対話を重ねながら、個別最適なアプローチを見つける力が求められます。
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アメリカをモデルとしているため、年代的には日本とズレていますが、
基本的な変遷の流れは日本も一緒です。
まとめると、
【人が働く理由は時代とともに変化している】ということ
【リーダーは時代にあったマネジメントが必要】ということ
この流れを理解しないまま、
「給料をもらう以上は働くのが当たり前」
という価値観だけででリーダーをしていると、
部下はやる気を失い、やがて辞めていきます。
現代のリーダーには、部下の多様な価値観に寄り添い、
それぞれに合った指導を行う柔軟性が求められているということですね。
「仕事は一生懸命する」
「けど、プライベートまで犠牲にするつもりはない」
こんな部下の価値観もリーダーは受け入れつつ、
その部下も能力を発揮できる高度なマネジメントが必要になったということですね。
リーダーにとっては色んなことを考えなきゃいけない大変な時代になったと思いますが
ぜひチャレンジしていって欲しいですし、
そんなリーダーを私も応援していきたいと思います(^^)
ボクシングの八百長試合のような会話から学ぶ【クレーム対応の極意】
前回のブログで「カスハラ」に一区切りつけるつもりでしたが、
最近の体験でどうしても気になることがあり、
今回はクレーム対応についてお話しします。
テーマはズバリ【クレーム対応の極意】です。
先日、あるサービスを解約することになりました。
そのサービスにはいくつか不満点があったからです。
これを解約の際に伝えたほうが今後の改善につながるかもと思い
解約の手続き中、担当者の方に
「少し不満点をお話ししてもいいですか?」
と尋ねたところ、
「ぜひお願いします!」とのこと。
「じゃあ、丁寧に伝えてみよう」と思い、
不満点を一つずつ話し始めました。
ところが、やり取りを始めてすぐに
「ん?」と違和感を覚えました。
私の「~と思うんだよ。」の句点「。」
この一呼吸を狙って担当者が
「ご指摘ありがとうございました。今後の参考にさせていただきます」
というセリフを素早く差し込んでくるんです。
こちらはまだまだ続きがあるのに、
相手は話を早く終わらせたい気持ちで一杯のようです。
ボクシングに例えると
軽くジャブを打つように最初の不満点を伝えると、
相手がいきなりダウンし、テンカウントを聞く前にリングを降りようとしているんです。
こちらは(え、まだ試合始まったばかりだよ? どうした?)
とダウンした相手を抱き起こすように「まだあるけど」と牽制。
気を取り直して、次のジャブを打つと、
またもや素早く「ご指摘ありがとうございました。今後の…」と、
二度目のダウン後すぐにリングから降りようとするんで
(いやいや、本気のパンチはまだ出してないんだけど)
と再びダウンした相手を抱き起こして「まだあるけど」と牽制。
その後も同じ展開が続きました。
軽くジャブを放つたびに相手が勝手にダウンして
すぐにリングを降りようとするわけです。
こちらとしては
(このまま試合を終わらせるわけにはいかない)
と必死で抱き起こして再開するも、
軽いジャブで相手はまたしてもダウンしリングを降りたがる…
そして、最終的には私がまだ話を終えていないのに
「申し訳ございませんでした。今後に活かして参ります!それでは失礼します」
と一方的に終了宣言し
そのまま電話をガチャ切り。。
「あいつ、自分で勝手に負けて、さっさとリングを降り控室に戻りやがった…」
みたいな感じです。
まさに【ボクシングの八百長試合】…
このやり取りで感じたのは、
形式的な謝罪や早く話を終わらせようとする姿勢に、
相手への誠意は一切ないということ。
例えクレームの内容が
現時点で対応できないものだったとしても
こちらとしては
「そこのところ、もっと詳しく教えてもらえませんか?」
とか
「他に何かございますか?」
と関心を持って聞いてほしかった。
しかし今回の対応からは
「そんなクレームたくさんあるから詳しく聞かないし、聞くふりもしないよ」
というような傲慢さを感じてしまいました。
クレーム対応は、ただ謝罪を繰り返すことが目的ではありません。
相手がどんな不満を抱え、どうしてその不満が生じたのかを深掘りし
解決策を見出そうとする【姿勢】こそが重要だと感じる出来事でした。
クレーム対応の極意は、
「傾聴」と「関心」に尽きますね。
相手の話に関心を持ち、
深く理解しようとする姿勢を見せることで、
「自分を大切にしてくれた」と
ほとんどの相手は納得してくれます。
もしもあなたがクレーム対応の場面に立つことがあれば、
ぜひ「傾聴」と「関心」を意識してみてください。
ボクシングの八百長試合のような対応は、本当に腹が立ちますから笑
私のカスハラ体験記⑨【上司を呼べ!」に「呼びません!!」と逆ギレ事件】
前回は私のニート時代の
【ハローワーク窓口激怒事件】をお話ししました。
これは
「私がカスハラしそうになった話」でしたが、
今回もそんな感じのお話しです。
題して【上司を呼べ!」に「呼びません!!」と逆ギレ事件】です。
社労士事務所を創業して数年後のある日
パートスタッフさんに役所へ書類を提出に行ってもらいました。
特に問題はないはず、そう思って送り出したのですが、
戻ってきた彼女の顔がどこか曇っています。
訳を聞くと、
「役所の担当者から『税務関係の書類に不備がある』と言われ、このままでは受付できないから修正して出し直すように言われた」
とのこと。
役所の担当者は非常に横柄な態度で応対したようで、
しかも修正を求めた内容も些末なこと…
役所の指摘がどうにも腑に落ちないので、
念のため税務署と税理士に確認を取りました。
すると、どちらからも
「税務上は全く問題ありませんよ」との回答。
それどころか、もし役所担当者の指示通りに書類を修正すれば、
事実と異なる内容に書き換えることになりかねません。
それはつまり、偽造を指示されたのと同じこと。
この時点で「あの担当者は筋違いなことを言っている」と確信。
そこで私自身が役所に足を運び、
問題の担当者に直接会いに行きました。
「税務署にも税理士にも確認しましたが、税務上全く問題ありません。」
「この書類に不備があると感じているのは、担当者であるあなた一人だけなんですよ!」
「しかも修正の指示は、事実と異なる内容を書き換えることを意味している。
すなわち、あなたは偽造を指示しているのと同じなんですよ!」
半沢直樹ばりの抗議に対して、担当者は悪びれる様子もなく
「はぁ、そうですかねぇ」と他人事のような素っ気ない返事。
ついに怒りのボルテージがマックスとなり
「あなたじゃ話にならない!上司を呼んでください!」
と思わず声を荒げちゃいました。
ところがなんとその職員
大声で
「呼びません!!」
と全力で拒否!
これには正直、私も驚きました。
「呼びません!」
という反論の仕方が世の中にあるなんて
予想もしていませんでしたから笑
そんなやり取りをいち早く察知した職員の上司がサッと自ら近づいてきて
「どういった事情ですか?」
と丁寧に聞かれたので、これまでの経緯をすべてお話ししました。
するとその上司は
「この件は私が引き取りますのでご安心ください」
と対応を約束してくれました。
その後、担当者の指示は撤回され、
書類もなんとか無事に受理されました…
今回の件、
振り返ると確かに声を荒げてしまった部分もありましたが
これはカスハラではなく正当な抗議だったと自分では思っています。
役所の担当者も人間なのでミスはあるでしょう。
しかし、こちらが正しい情報を持ち出しても一切反応せず、
「上司を呼ばない」という姿勢には納得がいきませんでした。
結果的に上司の対応で事態はスムーズに解決しましたが、
役所や窓口での対応は信頼関係の土台となるものです。
お互いが円滑に仕事を進められるよう、
誰に対しても誠実な対応を心がけてほしいものです…
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話を戻して
カスハラの視点で私の言動を分析してみましょう。
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.私の要求内容の妥当性】
要求が
「書類は修正しない!」
「担当者のあなたがやれ!」
ということであれば問題あり。
ただ今回は
書類修正の指示に根拠がないことを示しただけです
なので問題なしだと判断します。
【2.私の手段・態様の不相当性】
声を荒げたことは相当性に問題ありなので反省です。
ただ、人が真剣に抗議しているのに
素っ気ない態度はいただけません。
他人事のような態度は改めるべきです。
【3.労働者(職員)への影響】
その職員さん、その後の窓口で見かけましたし
非常勤の方なので、契約更新時にマイナス評価されて
雇止めされてもおかしくありませんが、
今のその役所の窓口にいますので、なんの問題もなかったのでしょう…
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今回の事件も総合的にみると
カスハラと呼べるものではないでしょう。
少々声を荒げて伝えてしまいましたが、
正当なことを伝えただけですからね。
…ということで、カスハラ編はこれで終わりです。
次回も何かしらお役に立てる情報を発信していきますのでお楽しみに♪
私のカスハラ体験記⑧【ハローワーク窓口激怒事件】
前回は、銀行員時代の
【ルールVS感情!元教師激怒事件】をお話ししました。
これまでは、私がカスハラっぽい行為を
受けそうになった話をお届けしてきましたが、
今回は視点を180度変えて、「私がカスハラしそうになった話」をお話しします。
題して【ハローワーク窓口激怒事件】です。
時はリーマンショックの真っただ中。
私は銀行を辞め、次の職場へすぐ転職予定でしたが、
なかなか上手くいかない…
気づけば私はハローワークの窓口に通い、
雇用保険を貰いながら就職活動をしていました。
ある日、窓口で
「この企業に応募したいんです」
と職員の方に相談したところ、
「まだ求人募集をしているので大丈夫ですよ」
との返事。
ホッとしたのも束の間、職員さんが企業に電話で確認したところ、
「あ、募集もう終わってました」
と軽くひと言。
これを聞いた瞬間、私の中の何かがブチッと切れました。
「あんた、まだ大丈夫って言ったでしょ!」
思わず窓口で声を荒げてしまったんです。
いつも冷静な私が声を荒げるなんて笑
正直に言えば、この時の自分はかなり追い詰められていました。
次の仕事が決まらない焦りがありました。
そして元銀行員として
「正確な説明をするのが当たり前」
という職業病のような考え方が、自分の中に根強く残っていたんです。
「求人を出していても募集が終わっている場合がありますので、確認させて下さいね」
といった一言があれば、私は怒らなかったでしょう。
でも、その説明がなかったばかりに、
期待させられてからの急降下。
これが私の感情を爆発させました。
ただ、職員さんが平謝りしている姿を見て、
ようやく冷静になりました。
それ以上責めることはしませんでしたが、
心の中で
「あぁ、自分も追い詰められてたんだな」
と気付かされました。
このエピソードを振り返ると、
高齢者がカスハラを起こす理由の一端が見えてきます。
「お客様は神様」という価値観や、過去の成功体験への執着が、
自分の期待通りにならなかった時に怒りを引き起こすんです。
実際、私も銀行時代の
「先回りして最悪の事態を想定し説明する」文化が染みついていたからこそ、
職員さんの対応が許せなかったのだと思います。
でも、それは私の価値観であって、
ハローワークの現場ではそこまで徹底した説明は難しいこともあるわけです。
この経験以来、
私は「自分の価値観がすべてではない」ということを強く意識するようになりましたし、
今は社労士として多くの企業に関わる中で
色んな社会人いて、色んな企業風土があることを学びました。
白のカッターシャツに下に着ているTシャツの派手な柄がスケスケでも
注意もされない会社もあります笑
スラックスにスニーカー
なんならリュックを背負って通勤できる会社もあります。
銀行員ならあり得ないスタイルです。
思うに銀行がやたら
身だしなみにうるさかったな…
「もみあげが長いから明日までに剃ってこい」
「カラーシャツはけしからんから、明日から全員白に」
「お前のかけてる眼鏡を見るとイライラする」
「おじさんが履くようなローファー履くなよ」
当時は渋々受け入れていましたが、
これはあくまでも当時の銀行員の価値観なわけです。
なんだかパワハラっぽい話になってきましたね笑
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
話を戻して
カスハラの視点で私の言動を分析してみましょう。
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.要求内容の妥当性】
要求が
「誤った説明で俺はショックを受けた!土下座して謝罪しろ!」
ということであれば問題ありです。
ただ今回は期待が裏切られた心情を
ありのまま伝えているだけなので、特に問題なしだと判断します。
【2.手段・態様の不相当性】
声を荒げたことは相当性に問題ありと言えます。
ただ、人生を左右する場であまりにも軽いノリで
「あ、募集もう終わってました」
と言われたら、誰でもイラっときますよ…
【3.労働者(職員)への影響】
まあ、その職員さんの精神的なダメージがどの程度だったのかは
今ではわかりません。
ハローワークの窓口のほとんどは立場は弱い非常勤の職員さんばかりなので、
最悪の場合、契約更新時にマイナス評価されて雇止めってことも
あるかも知れません…
もしそうなってたらごめんなさい…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自分で言うのもなんですが、
総合的にみるとカスハラと呼べるものではないでしょう。
感情的になってしまうのも人間ですからね。
これでカスハラ編を終わりにしようと思いましたが、
もう一つ面白い話がありましたので、
次回それを話して終わりにします。
私が感情的ながらも合理的なクレームを言ったら、
相手も感情的に反論してきたという事件です!
もはやノリがカスハラから離れまくっていますが、
次回もお楽しみに♪
私のカスハラ体験記⑦【ルールVS感情!元教師激怒事件】
前回は、銀行員時代の【口角クレーム事件】をお話ししました。
今回も銀行員時代の話ですが
ルールを守ったら商談が破談になったという
またまた悲しいお話しです…
題して【ルールVS感情!元教師激怒事件】です。
営業を担当していた頃、私が29歳頃のお話しです。
あの頃は、事業性融資、アパートローン、住宅ローン、個人年金保険、投資信託などなど
ノルマが毎月のしかかっているような状態でした。
毎月の目標を達成しなければならないプレッシャー、
特に投資信託のようなリスクが伴う商品は販売に苦戦します。
そんな日々の中、ついに現れた「救世主」候補、
それが公立商業高校を退職された男性のお客様でした。
「退職金も入ったし、何か資産運用を始めたい」
というご主人の言葉に、
「これはいける!」と心の中でガッツポーズを決めた私。
投資信託の概要を説明すると、予想以上に前向きな反応で、
「これで老後も安泰だな!」と笑顔に。
その勢いを受け、
購入していただけるであろう金額を営業課長に報告。
課長の「やったな!」という嬉しそうな顔を見て、
私の心は達成感で満ちていました。
その後、ご夫婦で窓口にご来店いただき、
いよいよ本格的な説明を開始。
ご主人は投資信託の購入に乗り気で、
奥様も「主人が決めたことなら」と静かにうなずいていました。
このまま契約書にサインしてもらえば、ノルマ達成に一歩前進!と思いきや…
問題はここからです。
金融庁の指導に基づき、適合性の原則に従ったヒアリングを進めていたときのこと。
お客様の金融知識や経験、財産状況を確認する必要がありました。
そして、その一環で「預貯金の額」をお聞きした瞬間、場の空気が凍りつきました。
「なんでそんなプライベートなことまで言わなきゃいけないんだ!」
まさかの激怒。
突然の剣幕に驚きながらも、私は冷静に説明しました。
「金融庁の指導で、お客様の資産のバランスを踏まえた提案が必須なんです」
しかし、ご主人の怒りは収まるどころかヒートアップ。
「帰る!」と声を荒げ、そのまま奥様と一緒に店を後にされました。
奥様が一瞬「すみません…」と申し訳なさそうに見えたのが唯一の救いです。
その後、私は営業課長に報告しました。
課長は「ノルマの見込みが消えた」と渋い顔をしましたが、
ヒアリングをした私の対応自体には特に責めることはありませんでした。
しかし、私の胸には一つの疑問が残ります。
「商売のルールを教える立場にいた商業高校の元教師の方が、そのルールに怒るのってどうなの?」
冷静に考えれば、確かにお金の話はデリケートです。
ですが、私たちはルールに従い、適切な提案をするための質問をしていただけ。
それを理解していただけなかったことに、何とも言えないモヤモヤが残りました…
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悲しいお話しですが、カスハラの視点で分析してみましょう。
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.要求内容の妥当性】
要求が
「預貯金なんか聞かずにさっさと投資信託の契約をさせろ!」
ということであればマズいです。
今回は預貯金額のヒアリングを拒否して、
契約の意思も示さなかったという点で特に問題なしだと判断します。
まあ、ノルマ達成もちらつく中
「嫌なら預貯金額は言わなくてけっこうですよ」
と言いたくもなりましたよ。
けど、正直なところ「預貯金額を絶対に言わせてやる!」
という妙な対抗心も湧いてきちゃったんですよ。
国が定めたルールとその意図を説明しても
納得してもらえないのであれば諦めるしかありません…
【2.手段・態様の不相当性】
大声を出してルールを拒否したことについては
相当性に問題ありと言えます。
まあ、普通のトーンで
「預貯金額は言いたくないです」であればよかったんでしょうけど…
【3.労働者(私)への影響】
まあ、ノルマ達成の見込みのお客様を失ったという
営業マンなら誰しも経験するレベルのショックなので問題なしと判断します。
まあ、個人のお客様であれば預貯金額、法人のお客様であれば決算書、
両方とも高度な秘密事項です。
それをオープンにしてもらえるような関係性作りが大事なんだと感じます。
とは言え、法人の社長と比較した場合、
個人のお客様と対面でじっくり深く話す機会は実はほとんどありません。
あったとしても、継続的ではなく一時的なことが多いです。
なので、個人のお客様と真の関係性を築くのは案外難しかったりします。
そこを理解していかに短時間で関係性を築くかということが
大事になってきます。
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前回や今回の話を振り返り、
「自分って個人のお客様との接し方が特に下手くそなんだな」
と改めて感じました…
皆さんは法人と個人、どちらと接するのが得意ですか?
さて次回はいよいよ最終章、
「私のあの言動はカスハラだったかも?」
という事件を紹介します。
次回もお楽しみに♪