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私のカスハラ体験記⑨【上司を呼べ!」に「呼びません!!」と逆ギレ事件】
前回は私のニート時代の
【ハローワーク窓口激怒事件】をお話ししました。
これは
「私がカスハラしそうになった話」でしたが、
今回もそんな感じのお話しです。
題して【上司を呼べ!」に「呼びません!!」と逆ギレ事件】です。
社労士事務所を創業して数年後のある日
パートスタッフさんに役所へ書類を提出に行ってもらいました。
特に問題はないはず、そう思って送り出したのですが、
戻ってきた彼女の顔がどこか曇っています。
訳を聞くと、
「役所の担当者から『税務関係の書類に不備がある』と言われ、このままでは受付できないから修正して出し直すように言われた」
とのこと。
役所の担当者は非常に横柄な態度で応対したようで、
しかも修正を求めた内容も些末なこと…
役所の指摘がどうにも腑に落ちないので、
念のため税務署と税理士に確認を取りました。
すると、どちらからも
「税務上は全く問題ありませんよ」との回答。
それどころか、もし役所担当者の指示通りに書類を修正すれば、
事実と異なる内容に書き換えることになりかねません。
それはつまり、偽造を指示されたのと同じこと。
この時点で「あの担当者は筋違いなことを言っている」と確信。
そこで私自身が役所に足を運び、
問題の担当者に直接会いに行きました。
「税務署にも税理士にも確認しましたが、税務上全く問題ありません。」
「この書類に不備があると感じているのは、担当者であるあなた一人だけなんですよ!」
「しかも修正の指示は、事実と異なる内容を書き換えることを意味している。
すなわち、あなたは偽造を指示しているのと同じなんですよ!」
半沢直樹ばりの抗議に対して、担当者は悪びれる様子もなく
「はぁ、そうですかねぇ」と他人事のような素っ気ない返事。
ついに怒りのボルテージがマックスとなり
「あなたじゃ話にならない!上司を呼んでください!」
と思わず声を荒げちゃいました。
ところがなんとその職員
大声で
「呼びません!!」
と全力で拒否!
これには正直、私も驚きました。
「呼びません!」
という反論の仕方が世の中にあるなんて
予想もしていませんでしたから笑
そんなやり取りをいち早く察知した職員の上司がサッと自ら近づいてきて
「どういった事情ですか?」
と丁寧に聞かれたので、これまでの経緯をすべてお話ししました。
するとその上司は
「この件は私が引き取りますのでご安心ください」
と対応を約束してくれました。
その後、担当者の指示は撤回され、
書類もなんとか無事に受理されました…
今回の件、
振り返ると確かに声を荒げてしまった部分もありましたが
これはカスハラではなく正当な抗議だったと自分では思っています。
役所の担当者も人間なのでミスはあるでしょう。
しかし、こちらが正しい情報を持ち出しても一切反応せず、
「上司を呼ばない」という姿勢には納得がいきませんでした。
結果的に上司の対応で事態はスムーズに解決しましたが、
役所や窓口での対応は信頼関係の土台となるものです。
お互いが円滑に仕事を進められるよう、
誰に対しても誠実な対応を心がけてほしいものです…
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話を戻して
カスハラの視点で私の言動を分析してみましょう。
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.私の要求内容の妥当性】
要求が
「書類は修正しない!」
「担当者のあなたがやれ!」
ということであれば問題あり。
ただ今回は
書類修正の指示に根拠がないことを示しただけです
なので問題なしだと判断します。
【2.私の手段・態様の不相当性】
声を荒げたことは相当性に問題ありなので反省です。
ただ、人が真剣に抗議しているのに
素っ気ない態度はいただけません。
他人事のような態度は改めるべきです。
【3.労働者(職員)への影響】
その職員さん、その後の窓口で見かけましたし
非常勤の方なので、契約更新時にマイナス評価されて
雇止めされてもおかしくありませんが、
今のその役所の窓口にいますので、なんの問題もなかったのでしょう…
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今回の事件も総合的にみると
カスハラと呼べるものではないでしょう。
少々声を荒げて伝えてしまいましたが、
正当なことを伝えただけですからね。
…ということで、カスハラ編はこれで終わりです。
次回も何かしらお役に立てる情報を発信していきますのでお楽しみに♪
私のカスハラ体験記⑧【ハローワーク窓口激怒事件】
前回は、銀行員時代の
【ルールVS感情!元教師激怒事件】をお話ししました。
これまでは、私がカスハラっぽい行為を
受けそうになった話をお届けしてきましたが、
今回は視点を180度変えて、「私がカスハラしそうになった話」をお話しします。
題して【ハローワーク窓口激怒事件】です。
時はリーマンショックの真っただ中。
私は銀行を辞め、次の職場へすぐ転職予定でしたが、
なかなか上手くいかない…
気づけば私はハローワークの窓口に通い、
雇用保険を貰いながら就職活動をしていました。
ある日、窓口で
「この企業に応募したいんです」
と職員の方に相談したところ、
「まだ求人募集をしているので大丈夫ですよ」
との返事。
ホッとしたのも束の間、職員さんが企業に電話で確認したところ、
「あ、募集もう終わってました」
と軽くひと言。
これを聞いた瞬間、私の中の何かがブチッと切れました。
「あんた、まだ大丈夫って言ったでしょ!」
思わず窓口で声を荒げてしまったんです。
いつも冷静な私が声を荒げるなんて笑
正直に言えば、この時の自分はかなり追い詰められていました。
次の仕事が決まらない焦りがありました。
そして元銀行員として
「正確な説明をするのが当たり前」
という職業病のような考え方が、自分の中に根強く残っていたんです。
「求人を出していても募集が終わっている場合がありますので、確認させて下さいね」
といった一言があれば、私は怒らなかったでしょう。
でも、その説明がなかったばかりに、
期待させられてからの急降下。
これが私の感情を爆発させました。
ただ、職員さんが平謝りしている姿を見て、
ようやく冷静になりました。
それ以上責めることはしませんでしたが、
心の中で
「あぁ、自分も追い詰められてたんだな」
と気付かされました。
このエピソードを振り返ると、
高齢者がカスハラを起こす理由の一端が見えてきます。
「お客様は神様」という価値観や、過去の成功体験への執着が、
自分の期待通りにならなかった時に怒りを引き起こすんです。
実際、私も銀行時代の
「先回りして最悪の事態を想定し説明する」文化が染みついていたからこそ、
職員さんの対応が許せなかったのだと思います。
でも、それは私の価値観であって、
ハローワークの現場ではそこまで徹底した説明は難しいこともあるわけです。
この経験以来、
私は「自分の価値観がすべてではない」ということを強く意識するようになりましたし、
今は社労士として多くの企業に関わる中で
色んな社会人いて、色んな企業風土があることを学びました。
白のカッターシャツに下に着ているTシャツの派手な柄がスケスケでも
注意もされない会社もあります笑
スラックスにスニーカー
なんならリュックを背負って通勤できる会社もあります。
銀行員ならあり得ないスタイルです。
思うに銀行がやたら
身だしなみにうるさかったな…
「もみあげが長いから明日までに剃ってこい」
「カラーシャツはけしからんから、明日から全員白に」
「お前のかけてる眼鏡を見るとイライラする」
「おじさんが履くようなローファー履くなよ」
当時は渋々受け入れていましたが、
これはあくまでも当時の銀行員の価値観なわけです。
なんだかパワハラっぽい話になってきましたね笑
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話を戻して
カスハラの視点で私の言動を分析してみましょう。
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.要求内容の妥当性】
要求が
「誤った説明で俺はショックを受けた!土下座して謝罪しろ!」
ということであれば問題ありです。
ただ今回は期待が裏切られた心情を
ありのまま伝えているだけなので、特に問題なしだと判断します。
【2.手段・態様の不相当性】
声を荒げたことは相当性に問題ありと言えます。
ただ、人生を左右する場であまりにも軽いノリで
「あ、募集もう終わってました」
と言われたら、誰でもイラっときますよ…
【3.労働者(職員)への影響】
まあ、その職員さんの精神的なダメージがどの程度だったのかは
今ではわかりません。
ハローワークの窓口のほとんどは立場は弱い非常勤の職員さんばかりなので、
最悪の場合、契約更新時にマイナス評価されて雇止めってことも
あるかも知れません…
もしそうなってたらごめんなさい…
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自分で言うのもなんですが、
総合的にみるとカスハラと呼べるものではないでしょう。
感情的になってしまうのも人間ですからね。
これでカスハラ編を終わりにしようと思いましたが、
もう一つ面白い話がありましたので、
次回それを話して終わりにします。
私が感情的ながらも合理的なクレームを言ったら、
相手も感情的に反論してきたという事件です!
もはやノリがカスハラから離れまくっていますが、
次回もお楽しみに♪
私のカスハラ体験記⑦【ルールVS感情!元教師激怒事件】
前回は、銀行員時代の【口角クレーム事件】をお話ししました。
今回も銀行員時代の話ですが
ルールを守ったら商談が破談になったという
またまた悲しいお話しです…
題して【ルールVS感情!元教師激怒事件】です。
営業を担当していた頃、私が29歳頃のお話しです。
あの頃は、事業性融資、アパートローン、住宅ローン、個人年金保険、投資信託などなど
ノルマが毎月のしかかっているような状態でした。
毎月の目標を達成しなければならないプレッシャー、
特に投資信託のようなリスクが伴う商品は販売に苦戦します。
そんな日々の中、ついに現れた「救世主」候補、
それが公立商業高校を退職された男性のお客様でした。
「退職金も入ったし、何か資産運用を始めたい」
というご主人の言葉に、
「これはいける!」と心の中でガッツポーズを決めた私。
投資信託の概要を説明すると、予想以上に前向きな反応で、
「これで老後も安泰だな!」と笑顔に。
その勢いを受け、
購入していただけるであろう金額を営業課長に報告。
課長の「やったな!」という嬉しそうな顔を見て、
私の心は達成感で満ちていました。
その後、ご夫婦で窓口にご来店いただき、
いよいよ本格的な説明を開始。
ご主人は投資信託の購入に乗り気で、
奥様も「主人が決めたことなら」と静かにうなずいていました。
このまま契約書にサインしてもらえば、ノルマ達成に一歩前進!と思いきや…
問題はここからです。
金融庁の指導に基づき、適合性の原則に従ったヒアリングを進めていたときのこと。
お客様の金融知識や経験、財産状況を確認する必要がありました。
そして、その一環で「預貯金の額」をお聞きした瞬間、場の空気が凍りつきました。
「なんでそんなプライベートなことまで言わなきゃいけないんだ!」
まさかの激怒。
突然の剣幕に驚きながらも、私は冷静に説明しました。
「金融庁の指導で、お客様の資産のバランスを踏まえた提案が必須なんです」
しかし、ご主人の怒りは収まるどころかヒートアップ。
「帰る!」と声を荒げ、そのまま奥様と一緒に店を後にされました。
奥様が一瞬「すみません…」と申し訳なさそうに見えたのが唯一の救いです。
その後、私は営業課長に報告しました。
課長は「ノルマの見込みが消えた」と渋い顔をしましたが、
ヒアリングをした私の対応自体には特に責めることはありませんでした。
しかし、私の胸には一つの疑問が残ります。
「商売のルールを教える立場にいた商業高校の元教師の方が、そのルールに怒るのってどうなの?」
冷静に考えれば、確かにお金の話はデリケートです。
ですが、私たちはルールに従い、適切な提案をするための質問をしていただけ。
それを理解していただけなかったことに、何とも言えないモヤモヤが残りました…
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悲しいお話しですが、カスハラの視点で分析してみましょう。
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.要求内容の妥当性】
要求が
「預貯金なんか聞かずにさっさと投資信託の契約をさせろ!」
ということであればマズいです。
今回は預貯金額のヒアリングを拒否して、
契約の意思も示さなかったという点で特に問題なしだと判断します。
まあ、ノルマ達成もちらつく中
「嫌なら預貯金額は言わなくてけっこうですよ」
と言いたくもなりましたよ。
けど、正直なところ「預貯金額を絶対に言わせてやる!」
という妙な対抗心も湧いてきちゃったんですよ。
国が定めたルールとその意図を説明しても
納得してもらえないのであれば諦めるしかありません…
【2.手段・態様の不相当性】
大声を出してルールを拒否したことについては
相当性に問題ありと言えます。
まあ、普通のトーンで
「預貯金額は言いたくないです」であればよかったんでしょうけど…
【3.労働者(私)への影響】
まあ、ノルマ達成の見込みのお客様を失ったという
営業マンなら誰しも経験するレベルのショックなので問題なしと判断します。
まあ、個人のお客様であれば預貯金額、法人のお客様であれば決算書、
両方とも高度な秘密事項です。
それをオープンにしてもらえるような関係性作りが大事なんだと感じます。
とは言え、法人の社長と比較した場合、
個人のお客様と対面でじっくり深く話す機会は実はほとんどありません。
あったとしても、継続的ではなく一時的なことが多いです。
なので、個人のお客様と真の関係性を築くのは案外難しかったりします。
そこを理解していかに短時間で関係性を築くかということが
大事になってきます。
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前回や今回の話を振り返り、
「自分って個人のお客様との接し方が特に下手くそなんだな」
と改めて感じました…
皆さんは法人と個人、どちらと接するのが得意ですか?
さて次回はいよいよ最終章、
「私のあの言動はカスハラだったかも?」
という事件を紹介します。
次回もお楽しみに♪
私のカスハラ体験記⑥【口角クレーム事件】
前回は、銀行員時代の【カードローン否決事件】をお話ししました。
今回も銀行員時代の話です。
よく考えたら、銀行員時代っていろんな出来事があったなと笑
今回は私のちょっとした癖が原因でお客様に怒鳴られ
ついには取引解消にまで至った悲しいお話しです…
題して【口角クレーム事件】です。
さて、またまた私が28歳、
北九州の支店でローン窓口を担当していた頃のことです。
ある日、若いご夫婦が新居購入のために住宅ローンを申し込みにいらっしゃったんです。
事前審査も問題なく通過し、
「よし、ここからはスムーズに本審査に進むだけだな」
と安心していました。
ご夫婦が再び来店され、旦那さんが住宅ローンの申込書に記入を始めたときのこと。
私は普段通り対応していたつもりだったのですが…
実は、当時の私には笑顔の時に【右の口角だけが上がる】という癖がありました。
特に意識してやっていたわけではなく、
自然に出る微笑みが右寄りだったんですね。
人によっては顔を引きつらせているように見えたりするわけです。
記入が終わりかけた頃、
突然、旦那さんがムッとした表情でこちらを睨んできました。
え?何かミスでもあったのかと焦っていると、
彼はこう言い出したんです。
「その表情はなんですか!?」
「あなたは私を見下しているのか?」
え…まさかの表情へのクレーム!?
と一瞬固まりました。
そして旦那さんは、
「気分が悪いので、申し込みはしません!!」
と怒鳴って帰ってしまったんです。
奥様も、何も言わずに後を追って出ていかれました。
慌てて上司に報告すると、「お詫びに行こう」との指示が。
私と上司は急いで手土産にお菓子を準備し、
ご夫婦のお宅を訪ねることに。
しかし、玄関先で謝罪の言葉を並べても、
「もういいですから!」とドアを閉められてしまい、
その後、連絡も取れずじまい…。
あの時、もし口角の左右バランスをもっと意識していたら、
結果は変わっていたんでしょうか…
無意識の癖が、まさか表情が、
こんな形でお客様との関係に影響を与えるなんて、
思いもよりませんでしたね。
みなさんも日頃のちょっとした癖にはご注意を。
意外なところで影響を受けることがあるかもしれませんよ。
ちなみにですが、
もちろん、今はその癖は完全になくなりましたよ(^.^)
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これは私に非があるような感じがしますが、
一応カスハラの視点で分析してみましょう。
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.要求内容の妥当性】
要求としては、
「表情をどうにかしろ!」でもなく、
「金利を安くしろ!」でもない。
「あなたとお付き合いしたくないので、住宅ローンはおたくの銀行のお世話になりません」
ということ。
まだ一銭もお金を銀行に払っていないし
取引も契約も始まっていない。
ただただ、表情が気に食わなかったので、
審査の申し込みをしないと宣言されたわけです。
嫌々お付き合いすることを避けたい気持ちは
妥当なものだと思います。
【2.手段・態様の不相当性】
一方的に大声を出して帰ったことについては
相当性に問題がないとは言えないでしょう。
とは言え、人間誰しも感情的になることもありますし、
私を侮辱しようという意図もないので、問題なしと判断します。
【3.労働者(私)への影響】
実はこの出来事、けっこう落ち込みました…
私のビジュアルについてのクレーム、
それが服装とかならいいんでしょうが、
私の表情のことなので、自信喪失したのも事実です…
実は事件後に上司からも
「お前の表情は人を不快感を与える時がある」
と注意されました。
「いやいや、それならそう思った時に注意しろや!」
と逆ギレしそうになったのを覚えています。
うーん、この出来事が今起こったとして
私が病んでいたらどう判断されるのでしょう…
お客様の言動は行き過ぎたものではないので、カスハラにはならないでしょう。
だとすると、接客に適性がない、顧客対応にセンスがないということで、
配置のミスマッチが生んだ悲劇ということになりますね。
とは言え、その後に法人営業もしましたし、
今も経営者や人事・総務部長と商談や打ち合わせをしたり、
社員研修で受講者とお話しすることもあるので、
あの頃から数倍も成長したんだと思うようにしています笑
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今回の話は今の時代ならカスハラと言われそうな事例ですが、
突き詰めていくと、配置のミスマッチの問題として落ち着くのかなと感じます。
皆さんはどのように感じましたか?
さて次回は、
マニュアル通り、法令通りの100点満点の対応をしたら
お客様がキレて成果を逃してしまったという
後味の悪い事件をご紹介します…
次回もお楽しみに♪
私のカスハラ体験記⑤【カードローン否決事件】
前回は【トラベラーズチェック販売事件】をお話ししました。
今回も銀行員時代の話ですが、
これはかなりインパクトが強く、
今でもあの瞬間は鮮明に覚えています。
今までのお話しはカスハラとしては
イマイチだったかも知れませんが、
今回の話は「カスハラの典型的パターン」と言えます。
題して【カードローン否決事件】です。
さて、時は私が28歳、
北九州の支店でローン窓口を担当していた頃のことです。
カードローンというのは、
個人の方が自由に使えるローン商品。
住宅ローンやマイカーローンと違って、使い道は完全に自由。
しかし、その分、少々金利はお高めに設定されております。
そんなある日、窓口にやってきたのは1人の中年男性。
彼からカードローンの申し込みがあり、
私はせっせと審査に出しました。
そして翌日…
【結果:否決】
つまり、残念ながら審査に落ちたということです。
で、その旨を中年男性に電話連絡すると…
「ちょっと窓口に行くから、話を聞かせろ」とのこと。
まぁ、想定の範囲内です。
で、その男性が窓口にやってきて、
真剣な眼差しで「なぜ否決だったのか?」と質問。
私は丁寧に説明しました。
「年収や勤務歴、過去の返済状況などを総合的に判断しての結果です」
と、説明し終わった瞬間、彼は無言のまま
名刺を私の目の前にそっと差し出しました。
その名刺に書かれていたのは…
「〇〇連盟」
「あれれ? これはもしかして⁉️」
そう、いわゆる「えせ同和行為」でした。
「えせ同和行為」とは、同和問題を口実にして、
不当な金銭や特別な扱いを要求する行為のこと。
実際の差別解消とはまったく関係なく、
ただ相手を脅すためだけの手法です。
入社時研修で一通り学んではいましたが、
自分が体験するとは夢にも思いませんでした。
しかし、「ここでビビってはいけない!」と思いつつ、
内心では「どう対応すればいいんだ??」と焦っていました。
なので上司に即報告。
すると、上司はさすがの対応で、
その男性に毅然と対応し帰っていただきました。
北九州や筑豊では、何かと物騒な話も聞きますが、
「やっぱり大変な土地柄だな…」としみじみ感じた出来事でした…
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このお話しをカスハラの視点で分析してみましょう!
厚労省が示すカスハラの要素は3つあります。
【1.要求内容の妥当性】
【2.手段・態様の不相当性】
【3.労働者への影響】
それぞれチェックしていきます。
【1.要求内容の妥当性】
今回は何も具体的なことは要求されていませんが、
「【否決】を取り消せ!審査を通してお金を貸せ!」
と言いたいわけです。
お金がなくて苦しい状況であれば、
そのように要求したくなる気持ちは理解できます。
結局のところ
銀行ってお金を貸す貸さないを決めるわけなので、
銀行の「貸さない」という決断に納得いかなければ
「貸してくれ」って言いたくもなるでしょう。
妥当性については微妙という感じです。
【2.手段・態様の不相当性】
ここは完全アウトでしょう。
名刺を突き出して脅すのはダメでしょ。
これ、「俺は面倒な存在だから、逆らうなよ?」って
暗に言ってるようなもの。
手段としては完全に不相当です。
【3.労働者(私)への影響】
確かにギョッとしたし、
内心は「大声出されるんじゃね?」とドキドキ。
しかし、それで仕事に支障が出るかといえば、特に影響なし。
なので問題ないですね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回の話は、
まさに「要求の仕方が完全に度を超えている」パターンで、
典型的なカスハラ事例です。
さて次回は、私のちょっとした癖が原因でお客様に怒鳴られ
ついには取引解消にまで至った悲しい事件をご紹介します…
次回もお楽しみに♪