ブログ
言いたい事も言えないこんな世の中は~ハラスメントその6
さてさて、前回のブログで
「パワハラになるかどうかのラインを究極的に言語化すると
【相手の成功を心から願う、応援する】
この姿勢が上司にあるかないか」
「この姿勢を示すための言動として
14個のキーワードがある」
その中の10個をお伝えしました。
今回は11個目~14個目のラストまでお伝えしますね♪
★11.アサーションで伝える★
アサーションとは、
自分の考えを相手に配慮しながら伝える方法です。
簡単に言うと、
聞く姿勢を相手に作ってもらうための
前置き言葉を工夫しましょうということです。
「いつもありがとうね。
ただ、あなたの成長のために
耳が痛くなることを
伝えたいんだけど
話していい?」
こんな感じだと、部下も聞く姿勢を作ってくれます。
それをいきなり
「○○がダメだ!」
というとパワハラっぽくなってしまい、
相手は上司の言葉を拒否してしまいます。
相手が受け止めやすい前置き言葉を
工夫してみましょう。
★12.仕事の意味や価値を伝える★
「ここの掃除をやっておいてね」
「ここはお待ちのお客様の目線が集まりやすいところだから
特に注意して掃除をしておいてね」
どっちが掃除に対して気持ちが入るでしょうか?
やはり後者ですよね。
掃除の意図や重要性を伝えています。
良く聞くのはイソップ寓話に出てくるレンガ職人の話です。
ただ生活のためにレンガを積んでいる職人
一方、歴史に名を残す大聖堂の建築に携わるためにレンガを積んでいる職人
どちらが良い仕事をしてくれそうでしょうか?
やはり後者ですよね。
人はストーリーや物事の背景に惹かれます。
仕事も同じです。
「単純作業かも知んないけど、
この作業なしでこの商品が世の中に出ることはないんだよ」
「この声掛けは、顧客満足度を高めるために必要不可欠なんだよ」
こんな感じで仕事の意味や価値を
しっかりと伝えましょう。
★13.建設的なフィードバックをする★
「建設的」とは
物事を肯定的に捉え、
更に良くしていこうという考え方です。
そんなフィードバックを部下にもしましょうということです。
そのためには起こった事実を正確に把握する必要があります。
「今回の目標には10ポイント足りませんでしたが、
今までと全く違うアプローチでのチャレンジだったので
及第点だと思うし、今後に繋がります」
「前半のプレゼンは反応が悪かったけど、
後半はとても良かったよ。
次回は前半をブラッシュアップして臨もう!」
こんな感じで反省すべき点はしてもらいながらも、
前向きな気持ちになれるようなフィードバックを心掛けましょう。
★14.リフレーミング(認知の転換)を行う★
仕事が遅い→慎重
こだわりが強い→自分をしっかり持っている
チャレンジ精神がない→リスクを先読みする能力が高い
このようにネガティブなことをポジティブに捉えてみることを
リフレーミングと言います。
これは、単に部下をコントロールするためのものではなく、
部下との信頼関係を築くためのものです。
部下としても
自分の弱みを長所として捉えてくれている上司に感謝しつつ、
「この弱みを克服しなきゃ」と前向きな気持ちにもなります。
それよりもなによりも、
自分の最大の理解者が職場にいるってことは
本当に心強いものなんです。
私が銀行員の時の
「あんとき頑張ったよな」と思い出せるシーンには
良き理解者である上司が必ずいつもそばにいてくれました。
まあやはり、チームが成果をあげるためには
そのチームの人間関係の中心にいる上司の力量が
とても大事だなと思います。
【相手の成功を心から願う、応援する】
姿勢を示すための言動14個をお伝えしましたが、
いかがだったでしょうか?
とにかくハラスメントが起こってしまうと、
たくさんの人が不幸になります。
ハラスメントを受けた社員だけでなく、
その家族にも影響を及ぼします。
電通でのハラスメントによりお亡くなりになった
高橋まつりさんのお話しは、
聞くたびに胸が締め付けられます。
最後に、私の心にずっと残っている言葉を皆さんに紹介して終わりにしますね。
ある会社の役員さんの言葉です。
「全ての社員が、家に帰れば自慢の娘であり、息子であり、
尊敬されるべきお父さん、お母さんだ。
そんな人たちを、職場のハラスメントなんかで、
うつに至らしめたり、苦しめたりしていいわけがないだろう」
言いたい事も言えないこんな世の中は~ハラスメントその5
先週は研修を2件実施してきました!
1件は就職を予定している女子高生34名に向けて
「新社会人が働くうえで絶対に知っておきたいお金のこと」
~社会保険制度を知り「損をしない」「余計な不安がない」社会人生活を送る~
2件目は佐賀市の物流会社の全社員7名に対して
「リーダー育成研修5回パック1回目」
~相互支援の見える化、個人の特性を知る~
なかなか準備で忙しかったですが、
好きなことをさせてもらっていることに
本当に感謝です(^^)
さてさて、前回のブログで
「パワハラになるかどうかのラインを究極的に言語化すると
【相手の成功を心から願う、応援する】
この姿勢が上司にあるかないか」
「この姿勢を示すための言動として
14個のキーワードがある」
その中の5個をお伝えしました。
今回は6個目~10個目をお伝えしますね♪
★6.承認する★
「承認ってほめること?」
よくこんなことを聞かれますが、
少し違います。
部下の育成における承認とは、
「部下自身が気付いていない
優れた能力、業績、貢献、成長、可能性などについて
事実に基づき伝えること」
です。
なので、
「すごいね!」
だけじゃダメなんです。
部下を観察して、
本人が気付いていない能力や、
些細な貢献について、
事実として伝えてあげることなんです。
「あなたの笑顔が職場を明るくしてくれているよ」
「あなたの作成した資料のおかげでお客さんと契約することができたよ」
こんな言葉かけのことです。
ハーズバーグの2要因論においても
「承認」は動機付け要因として捉えられています。
ぜひ部下や同僚を観察して、
よい承認を行いましょう♪
★7.感謝する★
部下に感謝すると、
部下の自己肯定感が高まります。
感謝されて悪い気持ちになる人はいません。
「そんな大したことないっす」
と言われたとしても
それは照れ隠しです。
「いつも手伝ってくれてありがとう」
ハッキリと感謝の気持ちを伝えましょう。
★8.期待を伝える★
優れた上司は部下に期待を伝えることで
モチベーションを引き出し、
良好な人間関係を築いていきます。
ただし、そこには部下を心から信頼する姿勢が大事です。
無理難題をふっかけたり、
失敗したことを責め立てたりすると、
信頼関係が崩壊します。
心から信頼し、
「あなたには成長して欲しいので
このチームを引っ張って欲しい」
こんな感じで伝えてみましょう。
★9.謝る★
「部下に謝るなんてプライドが許さない」
「謝ったら上司の面目が丸つぶれ」
こんなんで誤ることができない上司が
けっこうな数います。
ただ、部下はそんなことはどうでもいいんです。
謝れない上司に対して
私が部下だったら
「詫びろ!詫びろ!詫びろ!」
なんて考えます笑
一方で、部下に謝る姿を見ると
そのいさぎよさに好感を持つと共に、
「自分も力不足でした」
と素直な気持ちになります。
「指示が曖昧で混乱させ申し訳なかった」
こんな感じでいさぎよく謝りましょう。
★10.成長を支援する★
部下の成長を支援する方法は色々あります。
・情報や裁量を与える。
「予算を付けるので有効に使ってね」
「ひとまずあなたの判断で進めてみて」
・タイミングをみて助言する
「こっから先については、毎回私とミーティングしながら進めていこう」
・一緒に考えてあげる
「とりあえず一緒にアイデア出ししてみようか」
仕事の質や難易度によって
使い分けるようにしましょう。
さて、今回は
【相手の成功を心から願う、応援する】
姿勢を示すための言動14個のうち
6個目から10個目をお伝えしました
残りの4個については
次回のブログでお伝えしますね♪
お楽しみ(^.^)
言いたい事も言えないこんな世の中は~ハラスメントその4
前回のブログで
「パワハラになるかどうかのラインを究極的に言語化すると
【相手の成功を心から願う、応援する】
この姿勢が上司にあるかないか」
「この姿勢を示すための言動として
14個のキーワードがある」
とお伝えしました。
今回はその14個のうち、今回は5個についてお伝えします。
★1.関心を持つ★
「愛の反対はなに?」
と聞かれたらなんと答えますか?
「無関心」と答えた人がいますが、
冷めきった夫婦を連想してしまいます笑
けど、これは真理だと思います。
無関心こそ人間関係を阻害するものはありません。
以前ですが、無関心な人が多い職場で働いたことがあります。
それに慣れてくるにつれ
「この職場は、自分の人生の時間と給料を交換するだけの場」
というような思考になっていったのを覚えています。
そして、次第と自分も周りに無関心になっていったのを覚えています。
無関心は連鎖するんですね~
なので、
「なんだか楽しそうだけど、どうしたの?」
「出身どこ?」
これだけでもいいので、関心を持って尋ねてみましょう。
★2.自ら話しかける★
ちょっとした声掛けでいいです。
「ありがとう」
「元気?」
これだけでも
「私のことを気にしてくれているんだ!」
と相手に安心感を与えます。
きっと関係を変えるきっかけになるでしょう。
★3.話を聴く★
人は自分の話を聴いてもらいたいものです。
「ちょっと聴いてよ~」
なんて言って、友人に話を聴いてもらったりすることも
ありますよね?
「言いたい」
「伝えたい」
「共感してほしい」
こんな気持ちを満たしてあげるためにも、
うなずいたり、
相づちを打ったり、
時には相手の訴えたい言葉を拾ってあげたりして
相手を認めてあげましょう。
無理に同調する必要はないですが、
受け止めてくれたことに相手は安心を感じます。
ただし注意点が1つ!
聴くふりをして自分のターンを今か今かと待っていると
それは相手に伝わります。
「俺の話を聴き流してんじゃん!」
「早く話し終わってくれ!って思ってんだろうな~」
と感じた相手は
話すことに不安を感じたり、
話すこと自体を止めてしまいます。
なので、聴くんだったら
最後まで真剣に聴いてあげましょうね。
★4.意見や提案を尊重する★
相手の意見や提案はひとまず肯定的に受け止めてあげましょう。
「そんなこと当たり前やろ」
「それは効果がないと思う」
こんな風に即レスされると、
「2度と言うもんか」
「否定ばっかりすんなよ」
こんな気持ちになり、
次からは意見や提案をしてくれなくなります。
「確かにそれもあるね」
「その視点って大事よね」
こんな風に一旦受け止めてあげましょう。
★5.質問する★
相手から意見を引き出すための質問です。
「どうしたらいいと思う?」
これを考えさせることで相手に気付きを与えることができます。
気付きを得られたことが嬉しくなると、
それを引き出してくれた相手に感謝します。
そうすると良い関係が築かれていきます。
ただし、ここでも注意が1つあります!
「どうしたらいいと思う?」
と聞いたときに
「どうしたらいいんでしょうね…」
としか返ってこないことがあります。
その時に
「こいつは真剣に考えていない!」
と怒ったり、諦めたりしないことです。
考える癖がないことも原因だったりしますが、
多くは経験不足だったり、
答えをイメージできるほどの情報がなかったりすることが
原因だったりします。
なので、その時は
図を描いてみたり、
フローを書き出してみたり、
選択肢を例えば10個ひねり出させてみたりして
根気強く付き合ってあげましょう。
良い案がきっと出てくるはずです。
さて、今回は
【相手の成功を心から願う、応援する】
姿勢を示すための言動14個のうち
5個をお伝えしました
残りの9個については
次回のブログでお伝えしますね♪
お楽しみ(^.^)
言いたい事も言えないこんな世の中は~ハラスメントその3
今回はパワーハラスメント、
略してパワハラついてお伝えしようと思います。
「上司からすっごい大声で叱られた!パワハラだ!」
「同僚が周りにいる中で上司に叱られて恥をかいた!パワハラだ!」
こんな感じのパワハラ事案が増えています。
パワハラのライトバージョン、
あるいは、パワハラのグレーゾーンといった感じです。
恐怖を感じたり、恥をかかされたりということで、
パワハラを主張する理由もわからなくはないですが、
この情報だけでパワハラかどうかを判断するのは時期早々でしょう。
パワハラになるかどうかのラインを究極的に言語化すると
【相手の成功を心から願う、応援する】
この姿勢が上司にあるかないかだと私は思っています。
「いやいや、私は心から部下の成功を願ってますよ」
と反論したくなる上司もいるでしょう。
ただ、部下が
「あの上司、俺のこと絶対嫌いだぜ」
と思っていたとしたらパワハラだと受け止められてしまいます。
逆に、部下が
「あの上司、いつも厳しく接してくるけど
俺のことをいつも真剣に考えてくれている」
と思っていればパワハラと受け止められることはありません。
部下はちゃんとわかっています。
「あの高卒上司、大卒の俺がうらやましいからマウントを取ってくる」
「あの上司、強い者には弱く、弱い者に強いよね」
「自分のミスを平気で部下のせいにする人間だよ、あの上司は」
「しょっちゅう飲みに誘われるけど、いっつも自分の自慢話ばっかり」
こんな風に思われていたら、
その上司は何をしてもパワハラって言われてしまいます。
なので、
「相手の成功を心から願う、応援する姿勢が自分にはあるんだ!」
と思っている上司は、
普段からそれを行動や言葉で示さなきゃダメだということです。
「なるほど、気持ちだけじゃなくて、
普段からの行動や言葉ってのが大事なのね。
じゃあ、その行動や言葉って具体的にどんなものよ?」
そう聞かれたときに
私はいつも14個のキーワードをお伝えしています。
ではその14個はいったいなんなのか?
それは次回のブログでお伝えしますね♪
お楽しみ(^.^)
言いたい事も言えないこんな世の中は~ハラスメントその2
冒頭から私事で恐縮ですが、
研修講師のお仕事回数が
去年末で100回を超えました!
本格的に研修をサービスメニューに加えだしたのが6年前くらいなので、
年間約16回、1カ月に1回以上のペースです。
プロの研修講師目線だと
そんなにすごい回数ではないとは思いますが、
私のとっては節目となる数字でしたので
とても感慨深いです(^^)
なお、嬉しいことに
今月は5件も研修講師を依頼されています。
中小企業向けの「リーダー育成研修」が3回、
医療法人で「ハラスメント研修」が1回
私立高校の就職予定の生徒に「給料と社会保険の授業」が1回
なかなかハードではありますが、
受講者の方に気付きを与え、
自己成長に活かしてもらえるという
とてもやりがいのある仕事です。
今は人材育成の研修講師に特化して
お仕事をさせてもらっていますので
今年の末には150回を達成できるよう
頑張っていきたいと思います(^.^)
閑話休題、
前回は
「企業はハラスメント研修をなぜ実施するのか?」
について
企業が経営を行う目的から紐解いてお伝えしました。
【企業の目標】
↓↓
【社会への価値貢献・働く社員の幸せの実現】
↓↓
【目標達成の阻害要因の解消】
↓↓
【法令順守・社会的信用・職場の不和など】
こんな感じです。
ちなみに、ハラスメントと言うと
「嫌がらせ」という意味がありますが、
世の中には色んなハラスメントがあります。
パワーハラスメント、セクシャルハラスメントだけでなく
モラルハラスメント、カスタマーハラスメント、
時短ハラスメント、マタニティハラスメント、
アルコールハラスメント、アカデミックハラスメント…
「なんでもかんでもハラスメントを
語尾に付けりゃいいってもんじゃないでしょ!」
と言いたくもなりますが、
それくらい自己の権利が守られる世の中になってきたということでしょうし、
逆に言えば、今まで皆がそれを色んな事情で我慢してきたということでしょう。
とは言え、昭和世代からすると
「部下に強く指導したらパワハラになる」
と言われたら
「じゃあ、どんな指導をすればいいんだ!」
と憤りを感じるでしょう。
「忘年会のカラオケを盛り上げるためにデュエットを強要したらセクハラになる」
と言われたら
「盛り上げるためにやってんだぞ!」
と怒りたくもなるでしょう。
ただ、ひとつだけ間違いなく言えるのは、
「相手が嫌がっている」
という事実があるということです。
正しいことをやっているつもりでも、
その行為の対象となっている人にとっては
苦痛なのです。
そして、その苦痛を訴える側のほうが
保護されるべき世の中になってきているのです。
なので、まずはこの事実を受け入れる必要があります。
「もっと打たれ強くないと、この先生きていけないぞ」
「もっと大らかな気持ちを持たないと、生きづらいぞ」
と言いたくなく気持ちもわかりますが、
それはいったん飲み込んで、
受け入れる覚悟を持ちましょう。
「そうは言っても、自分を押し殺す感じがして嫌だ…」
と思う方もいらっしゃると思います。
決して自分の主張を我慢をし続ける必要はないですし、
自分の価値観を否定する必要もありません。
「ハラスメントと言われないための知識」
と併せて
「ハラスメントと言われないためのマネジメントスキル」
を今の自分に上乗せすることで、
自分を意思を押し殺すことなく
ハラスメントの問題を解決できるようになります。
上司の役割は、
「自分の成果もあげながら、部下の成果もあげるサポートをする」
ことですが、
この役割を全うするためのマネジメントスキルを突き詰めていくと、
「ハラスメントを受けた」
と言われることはなくなります。
ということで、
話は長くなりましたが、
次回のブログでは
ハラスメントの中身にもう少し踏み込んで、
それと併せて
ハラスメント予防のマネジメントスキルについても
お話ししていきたいと思います。
お楽しみ(^.^)














