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「会議で意見が出ない4つの理由とは?」
先日、お客様の会社において理念浸透委員会が立ち上がりましたので、
その会議にオブザーバーとしてお邪魔してきました。
そのとき、委員会のリーダーの方が「心理的安全」というキーワードが
仕事の生産性を高めるうえで必要不可欠なものであることをメンバーに解説してくれました。
「心理的安全」とても大切ですね。
グーグルにお勤めされていて、「世界最高のチーム」の著者であるピョートル・フェリクス・グジバチさんは、
その著書の中でこのように述べています。
「心理的安全とは『自分らしさを発揮しながらチームに参画できる』という実感のこと」
「端的に言えば、『メンバー1人ひとりが安心して、自分が自分らしくそのチームで働ける』ということ」
「自分らしく働くとは『自己認識・自己開示・自己表現ができる』ということ」
「要は『安心してなんでも言い合えるチーム』が心理的安全が高いチームなのです」
これを読んだときに真っ先に思い出したことがあります。
銀行員時代の6年目の頃ですが、
勤務していた支店の中で労働組合員の代表に選出されたことがありました。
「職場改善について話し合いたい」と突然支店長に部屋に呼び出されました。
よく怒鳴るワンマン支店長でしたので、嫌な予感しかしないという感じで部屋に向かいました。
「木貞くん、何か職場で改善が必要なことってあるかね?」
「支店長、そう言えば内勤のスタッフが休憩時間がきちんと取れないというような意見があり…」
私が話しを始めた瞬間、支店長は眉間にしわを寄せて、
うなずきもせず、ずーっと私を凝視したままです。
なんだか息が苦しくなりました。
そしておもむろに私の話をさえぎり
「それを聞いてお前はどんな行動を取ったんだ!?」
「それをただ聞いてただ俺に伝えているだけが役目なのか!?」
と支店長が突然怒鳴りだしたんです。
(しまった、面倒くさ!)と感じた私はとっさに
「いえいえ、最近は自分達でなんとかうまく休憩が取れるように調整できているようです。なので大丈夫です」
と終わらせてしまいました。
「戦わずに逃げてしまった…」
15年以上も前の話ですが、今でもモヤモヤしています。
ただ、それから時を経て、会社内の会議に私が外部の第3者として出席することが増えたのですが、
先ほどのようなネガティブな会議が多くの会社で行われていることを知りました。
「うちの社員は意見を全く言わない、何も考えていないんだよ!」
「しかも意見を言ったと思ったら、誰もが思いつくようなレベルの低い意見だったりするんだよ」
意見が出ない会社の社長は、だいたいこのようなことを言っていることが多いようです。
さて、この「会議で意見が出ない」という問題の本質はどこにあるのでしょう?
私が所属する一般社団法人キャッシュフローコーチ協会の和仁達也氏によると、
会議で意見が出ない理由は4つあるそうです。
意見を言うと
①恥をかかされる。
②批判される
③仲間はずれにされる
④辞めさせられる
この4つの不安が常につきまとっている会議では意見がでないそうです。
考えてみると、確かにそうですね。
何か嫌な気持ちになったり、待遇が悪くなることと引き換えに意見を言うのは割に合いません。
なにしろ、経営者や上司に意見するにはとても勇気がいることですし、
そんなことができるのは半沢直樹のようなドラマの世界だけでしょう。
ここから逆に考えると、その4つの不安から解放されれば
「安心して意見を言ってもいいんだ」という良い空気が生まれるのだと思います。
そのような良い空気がある会議であれば、
きっとたくさんの意見が出ると思いますし、なにより前向きな意見も増えるのでしょうね。
(「意見を集約するのが大変」という別の悩みが増えそうですが)
4つの不安から解放されるということは、
心理的安全が約束されていると言い換えることもできるでしょう。
そして、そんな心理的安全が約束されている会議をやり続けることが、
良いアイデアを生む生産性の高い会議に育てていくための秘訣なのでしょうね。
私が関わったある会社は、
社員がよく意見を言い合っていて、とても活気があります。
そこの社員は社長にも臆せずものを言ってきたりしますし、
なんなら私にも色々とアドバイスをしてくれます。
社長はそんな意見を言う社員が嫌かというとそうでもなく、
逆に喜んでいたりします。
当初は我がままのような意見を言ってくること多く、
社長もその対応にかなり苦労したようです。
ただ、意見を拒絶せず根気強く対応しているうちに段々と意見が洗練されてきて、
今は会社を良くしたいという前向きな意見がほとんどを占めるようになったとのことでした。
とても素晴らしく、素敵な職場だと思います。
前向きな意見交換をたくさん交わすことで成果があがりやすくなるのは皆さんもお感じだと思いますが、
その秘訣が「心理的安全」だと思います。
私に関わる方々が前向きになれて、成果があがるようにするためにも、
まずは「心理的安全」を感じることができるような場作りを今後も意識していきたいなと思います(^^)
「社員さんと面談するときは○○が大事~後編~」
前回は、社外の第3者が社員さんと面談するときや
上司が部下と面談をするときに大事になる「前置きトーク」について説明しました。
具体的には、面談の「前置きトーク」で
次のことを伝えることが大事だとお伝えしました。
・会社は会社のビジョン実現を目的として経営をしていること
・社員は自分の幸せを目的として仕事をしていること
・お互いの目的が多少なりとも一致しているので、あなたや他の社員さんはこの会社で働いていると思われること
・今後はその一致している範囲を拡げていきたいと会社は考えていること
・今回の面談はそのための意見交換の場であること
・話した中で会社側に伝えて欲しくないことがあれば伝えないこと
これでほとんどの面談は上手くいくようになるのですが
それでも社員さんから信頼を得ることができず
「この社労士はいい感じのこと言ってるけど
本当は私たち社員の敵で、社長の味方なのでは?」
と思われることがあります。
特に私のような社外の第3者が面談相手だと
その社員から
「あなたたち社労士は会社と契約して会社からお金をもらっているから
どうせ会社の味方なんでしょ?」
と言われることがあります。
これは一番言われたくないですし、相当焦りますよね…
「そうじゃないです。私は本当にあなたの立場になって考えて…」
「それはそうですけど、それとこれとは別で…」
こんな感じで、その場を取り繕うようなことを伝えても
一度疑念を持たれた社員さんには響かないでしょう。
そこでの切り替えしに一番大事になるもの
それは「ビジョン」です。
「ビジョン」とはなにか?
それは会社が掲げる経営理念の一部のことで、私のような社労士であれば
「なんのために社労士をしているの?社労士としてなにを実現したいの?」
という問いに対しての答えのことです。
例えば
「会社の健全な発展を人事の面からサポートする」
というビジョンがあれば、そのビジョンへの想いを語り、
今回の面談が自分のビジョンにとってどのような意味があり
面談相手の社員さんにとってどんなメリットがあるのかを力説するのです。
私の場合であれば
「私は『経営者と社員が心から感謝の言葉を伝えあう風景を日常にする』
というビジョンを掲げています」
「社長が『うちの会社を選んでくれてありがとう』社員が『この会社に入ってよかったです、ありがとうございます』
とお互いに感謝の言葉を伝えあう風景が見られるような会社になるようサポートするのが私のビジョンなんです」
「ただ、労使間にはお互いの立場の違いから生まれるギャップというのが存在し、
そのギャップを解消するためのコミュニケーションも不足しています」
「それにより、ボタンの掛け違いのようなことが起こってお互いに不信感を感じて、
お互いに不満を言っていることのほうが多いのです」
「そのような状態を解消し、お互いに感謝の言葉を伝えあうようにするのが私の役割であり、
その役割の1つとしてこの面談を行っているのです」
これらを心を込めて力説します。
私の経験上、ここまでいけば
「なんかよくわからんけど、発言に一応の説得力はあるし
迫力も感じるし、信頼していい人なのかも知れん」
みたいな感じで納得してくれます。
ビジョンを伝えるというのは、
テクニック度外視で自分の想いを相手にぶつけるということであり
そのビジョンが共感を得れるようなものであれば人の心も動くのでしょう。
私はこのビジョンなどの言語化を経営者向けにサポートしているのですが
これが固まると経営者はブレにくくなるのを感じます。
そして、何か困った時にこのビジョンに立ち戻ることで
どのように進むべきかの迷いがなくなります。
また、このビジョンが共感できるものであるほど
お客様にも社員にも支持されやすくなります。
社員面談というテーマで、本筋とはそれてしまった感じですが
結局のところ
「何を言うのか?」
と
「誰が言うのか?」
この2つが人を動かすうえで大事なことなんだなと改めて感じました(^^)
「社員さんと面談するときは○○が大事~前編~」
先日、社外の第3者として
とある会社の社員さんと面談を行ってきました。
聞き出したいことが次の2つでした。
・給与など処遇に関する希望
・会社の働きやすさに関する意見
ただ、その社員さんとは初めて会うので、
信頼関係もなにもありません。
「なんのための面談だろう?」
という疑問がその社員さんにもあったと思います。
そんな状況で、さっきの2つの質問をストレートにぶつけても、
「社外の第3者にどこまで本音を話していいのだろう?」
と警戒されて、差し障りのない会話が続き、
本当に聞きたかったことが聞けないまま終了というのがオチです。
これは社外の第3者に限らず
上司と部下での面談においても同じことが言えます。
過去に何度もお客様の会社の社員さんと面談を行ってきましたが
中には頑なに喋ってくれない人もいました。
「どうやったら面談が有益なものになるのだろう?」
「安心感を与えるための何かしらの工夫ができないものかな~?」
と考えました。
そこで色々と勉強して行き着いたのが「前置きトーク」です。
「前置きトーク」とは本題の前に相手に安心感を与えるトークのことです。
社員さんとの面談での「前置きトーク」として
以下のことを伝えるようにしました。
・会社は社長のビジョン実現を目的として経営をしていること
・社員は自分の幸せを目的として仕事をしていること
・お互いの目的が多少なりとも一致しているので、あなたや他の社員さんはこの会社で働いていると思われること
・今後はその一致している範囲を拡げていきたいと会社は考えていること
・今回の面談はそのための意見交換の場であること
・話した中で会社側に伝えて欲しくないことがあれば伝えないこと
これらを口頭で伝えるのが難しい場合は
書面に落とし込んで社員さんに渡して、一緒に読み合わせすることもあります。
このように社員さんとの面談時に必ず「前置きトーク」をするようになってからは、
面談の意図が誤解なく伝わるようになり、安心して私にお話しをしてくれるようになりました。
皆さんも、社員さんと面談する際にはこの「前置きトーク」を工夫してみてはいかがでしょうか?
ただですね、この「前置きトーク」
正直なところテクニック的な色合いが強いです。
なので社員さんから
「この社労士はいい感じのこと言ってるけど、本当は私たち社員の敵で、社長の味方なのでは?」
という更なる疑念を持たれることもあります。
特に私のような社外の第3者の場合、実際に
「あなたたち社労士は会社と契約して会社からお金をもらっているから、どうせ社長の味方なんでしょ?」
と言われたことがあります。
これを言われたら焦りますよね…
そこでこの最悪の場面に備え、もう一つ準備しておきたい大事なことがあります。
むしろこっちのほうが個人的には大事だと思っています。
それについては、次回のブログでお伝えしたいと思いますので、お楽しみに(^^)
「理念を浸透させる」の「浸透」とは?
こんにちは!
リーダー育成専門社労士の木貞です。
日々の活動や気付き、お役に立てる情報を発信して参りますので
今回もお付き合いのほどよろしくお願いいたします(^^)
さて、先日お客様の会社の理念浸透委員会に参加してきました。
2年前に経営理念の作成をお手伝いをした会社です。
経営者の方より
「今回社内で理念浸透委員会を立ちあげたんだけど
そこにオブザーバーとして参加して
委員長のフォローをして欲しい」
と依頼を受けました。
来月から理念浸透委員会は本格始動するのですが、
その前段階として委員メンバーと打ち合わせをしてきました。
最初に決めたのは
「理念浸透委員会が役目を果たしたと言える状態とは?」
というゴール設定です。
ゴールを教えてしまうと
委員会メンバーの自主性が発揮されなくなってしまいます。
とは言え初めての試みということで戸惑いがかなりあったようなので
以下の状態を作ることがゴールであることをお伝えしました。
①理念浸透の「理解」レベルを上げていくこと
知っている➡わかっている➡共感している
②理念浸透の「視点」レベルを上げていくこと
自分視点➡相手視点➡ステークホルダー視点
(自分や相手だけでなく、その周りの人たちも含めてどうなのかを考える)
③理念浸透の「記憶」レベルを上げていくこと
見る読む:頻度を増やす➡話し合う:理解を深める➡実践する:体感する➡他の人に教える:自分のものにする
上記3つの最終段階に到達したときに
初めて浸透したと言えます。
「理念を浸透させる!」と簡単に言ったりしますが
こうやって文字にすると、まあなかなか大変ですね。
ただ、「浸透」という言葉を分解してお伝えしたことで
「この委員会はいったい何をするんだ?」と最初は戸惑っていたメンバーも
最終のゴールをイメージできたようでした(^^)
来月から本格始動ですが
これからこの理念浸透委員会がどのような影響力を社内で発揮していくのか
今からとても楽しみです(^^)
病院で社員研修をしてきました!
昨日、病院にて社員研修、その後就業規則説明会を実施してきました!
社員研修については、エゴグラムを使ったワークです。
目的としては
・自分の特性を知ること
・自分の特性を知ることで、どうやって職場の仲間と上手く付き合っていくのかを考えること
・職場の仲間と上手く付き合いながら、自分の特性を良い方向で発揮し、充実した仕事生活を送るために、何をどのように努力すべきかを考えること
皆さん、ワイワイ楽しみながら学んでくれました♪
参加した職員さんからは
「みんなの性格が違うことが視える化されるため、とても面白かった」
「自分のことが良くわかった」
「もっと素直になりたいなあ」
「今後はもっと人の話を聴くようにしよう」
「自分と他人の違いを認めつつ、お互いに足りないところを補いながら協力していきたい」
経営者の方からも
「職員の皆さんが楽しくディスカッションしていたので、私も楽しい気分になれました」
「私自身も職員とのコミュニケーションが不足していたので、これから積極的にコミュニケーションを取っていこうと思います」
こんな言葉をいただくことができ、お役に立てたことを本当に嬉しく思います(^^)
なお、就業規則説明会ですが、実は社労士業務としては非常に難易度が高いです。
・場が荒れたり紛糾する際のアドリブ力が試されること
・できるだけ分かりやすい言葉をチョイスし、分かりやすい例え話で説明すること
・ネガティブなことでも受け入れやすい言葉に変換すること
・経営者の都合を押し付けすぎないこと
・社員側の立場にも立ちすぎないこと
・世間の一般的な考え方も示してあげること
などなど、気を付けることが多すぎるからです。
下手をすると、経営者側からも社員側からも信頼を失うことに繋がります。
ですので、私はいつも「場が荒れることもあるが、それは自然なこと」であることを先に説明し、次のようなお話をするようにしています。
・労使間には立場の違いから生まれるギャップがあること
・見ているものや情報量も違うので、ギャップがあるのは当然のこと。
・就業規則説明会はそのギャップがあることをお互いに認めながら、お互いが気持ち良く過ごすためのルールを確認する場であること
その説明のおかげかわかりませんが、職員の皆さんには協力をいただき、無事に説明会を終えることができました。
まだまだ言い方に説得力も足りないし、論理の構成として甘いところもありましたが、これからも上手くできるように努力していきたいと思います!